お題【ないものねだり】
「兄さん今日もがんばってね!」
「おう行ってくる!」
兄さんは警察官だ。組織犯罪対策部、組織的な犯罪に関与する犯人を追う俺の憧れの兄さん。今日も家から見送った。兄さんの背中はとても頼もしく、大きく見えた。見えていた。
「兄さん、」
「どうした?」
「……その、左腕ありがとう」
「どういたしまして、俺は尊が喜んでくれるなら何だっていいよ。」
お題【不条理】
「…はぁ」
「どうかされましたか?」
「なにもないよ、」
私は空を見上げ、ため息を着く。隣にいた彼女が心配してくるが、流す。
「そろそろ外に出るよ」
「分かりました」
私は外に出た。誰もいない静かな町。ここは魔女区域と呼ばれ、一般人が入れないように隔離しているところだ。私の守ってきた町だったのに。
お題【お金より大事なもの】
「…燃やしてんの?」
「だってもういらないでしょ」
「法に触れてるけど……、まぁ人権ないから関係ないか。」
彼女は今紙幣を燃やしている。タバコを吸うために持っているライターでジリジリと焼いている。
「そんなことよりみんなは?」
「上に行ったよ、」
「君もさっさと上に行って、無事に着いたら連絡して」
彼女は紙幣を持った手の小指で上を指す。上には魚が泳いでいる。水面ははるか空だ。太陽が出ているため、ゆらゆらと流れが見える。
お題【ひなまつり】
「3月3日だよ〜誕生日前日だよ〜」
「お前の誕生日よりひなまつりの方が有名だよ」
「祝ってよ」
彼女は俺に誕生日アピールしてくる。俺は今なんとなくちらし寿司を作っている。
「ケーキ!ケーキ!」
「お前食べれないだろ」
「はーん?食べれるが?」
「じゃあ近所の凛ちゃんが働いてるところのケーキ屋で買ってくるわ」
「お前凛ちゃんがそこで働いてるの知ってたのかよ」
「何年生きてると思ってんだ」
「2万年」
「正解」
こうして毎年祝っていると疲れるものだ。
お題【たった1つの希望】
今日もまた目が覚めた。彼に私はとある質問する。
「おはよう、寿命どうなってる?」
「おはよ、増えてるよ」
「そっか」
私は寿命が減るのではなく増えていってるらしい。だが、見える人にはそれが表示はされているのだ。寿命が無限にある種族には、寿命の表記なんてなければ、そんな項目すらない。
「お前はどうなんだ?」
「見たくないよ、自分の寿命は」
「見れるんだ?」
「一応ね。高校生の時、1回見てみたけど意外と短いなって思った。」
彼は人間だ。寿命が見えてもただの人間なのだ。
「寿命、減るといいね」
「そうだね」