出会いがあれば別れもある
それは当然の出来事なのだが
人は別れを悲しむ
でもよく考えてみて欲しい
もし私が今亡くなったとしよう
それは誰かにとっての
別れになるのだ
だから今日の日を精一杯生きよう
全ての出会いに感謝しよう
だって皆、一期一会の刹那を
生きているのだから
今日より明日を
昨日は過去の物語
一つ一つの積み重ねが
自分の描く未来に繋がってく
そう信じて歩いて行こう
叶えたい夢に向かって
生きる意味を見出して
A「あいつの家って貧乏なんだぜ!」
B「へー、そうなん?」
この時は何一つ僕は解らない日々を過ごしていた。
ある日、いつも通りの通学路を歩いてると前を歩くその子に目が向いた。
ボサボサの髪、前日と変わらない服装、ボロボロのランドセル・・・
Aが言う貧乏ってのも頷ける格好だ。
あまり話したことが無かったが、興味が湧いたので声を掛けてみることにした。
「おはよう!お前の家ってこっちなんだな!」
突然の出来事に「うん。」とだけ小さな返事を返してきた。
そこから学校までの道程で何を話しただろう?野球は好きか?サッカーは好きか?昨日のアニメは見たか?ゲームはするか?
多分、一方的に話していたのだが相槌を打ってくれていたのは覚えている。
そして、好きなアニメが一緒だと言うことで不思議と話が弾んだんだ。
学校でも僕は話しかけた。休み時間になればその子の元へ行き「野球しようよ!」
「僕はやらない」何度誘ってもこうだった。
ある日、僕は好きなアニメが一緒だと言うことを思い出し
そのアニメのカードをあげることにした。これで一緒に遊ぶことも出来るし何て考えながらだ。
「これ、ダブってるからあげるよ!」その子は嬉しそうに「え?本当にいいの?ありがとう!」と嬉しそうだった。
思えばいつも、クラスの端っこで暗そうな顔をしてたからこんな明るい顔は初めて見た気がした。
その日から日曜日などの休みの日に一緒に遊んだりする中になった。周りは「あいつと遊ぶと貧乏が移る」何て言って近寄って来ないがそれでも良かった。
この子と遊んでる方が気が合って楽しかったんだ。
遊び夕方に別れ次の日、学校に来たその子は昨日と同じ格好だった。
少し汚れていて汗臭かった。周りも顔を顰めていたくらいだった。
「あいつの家って貧乏なんだぜ」
突然この言葉を思い出した。。。
僕は小さくなって着なくなった服を部屋から引っ張り出した。幸いその子は僕より少し小さかったから合うと思ったのだ。
「お母さんこれ友達にあげてくる!」と残し僕はその子に会いに行った。
「これ着ないからあげるよ!」何の悪気も偽善のつもりも無かった。
子供ながらにその子が喜ぶなら嬉しくての行動だった。
「いつもありがとう!」嬉しそうに持ち帰って行った。
次の日に早速その子はあげた服を着て来てくれた。
「似合ってるじゃん!いいね!」僕は嬉しかった。
でも、周りの反応は違ったんだ。
「あれって前にBが着てた服だよね?」
「貧乏だから貰ったのかな?」
「やっぱり貧乏って本当なんだな」
心無い声があちこちから聞こえてくる。
僕は内心許せなかった。でも、何も出来なくただ見過ごした。
そんな日々が続いて夏休みになった。
僕は殆ど毎日その子と遊んだ!野球をしたり、カードゲームをしたり家でゲームもした。
明日からまた学校って言う最終日も一緒に遊んでた。
「また明日学校でな~!」その言葉が最期だった。
次の日その子は学校に来なかった。具合でも悪くなったのかと思っていたが、来ない日々が1週間続いた頃間違いだったことに気付いた。
その子の母から学校に連絡があったのだ。先生も状況を把握出来なかったらしいのだが話してくれた内容に拠ると
貧乏で昔から学校に行きたがらなかったのだが、ある日を境に明るくなり学校にも進んで行くようになった。理由を聴いたら遊べる友達が出来たんだって僕の名前を伝えたらしい。
僕のお陰で学校に行くようになり安心したし感謝してますって言ってたらしい。
でも、ある日を境にまた「学校なんて行きたくない」と言い出したらしく理由を聴けば「貧乏貧乏」って馬鹿にされると泣きながら伝えたらしい。
そして、夏休みの間に引っ越しを済ませ転校に踏み切ったのだと。
僕のせいだった。。。
何も考えず服をあげてそれが切っ掛けでまた虐めが加速したのは間違いなかった。
善かれと思いやった行動が、その子にとっては悪いことだったのだとその時に知った。
謝りたくてもその子はもう居ない。何処に行ったかも先生は教えてくれなかった。
僕はただ、後悔するしか無かった。
善悪って人に依って難しい