周りのみんなは
すぐそこに迫っている冬に備えているのに。
私にはそれが見えないよ。

でも、当たり前のように。
ちゃんと、未来があるように。
そう、自分に言い聞かせるように。

この手袋かわいー！なんて言ってさ。
馬鹿みたいに抗ってる。

時を止めて、

生きているからこその儚さなんて忘れるくらい、
ずぅーっと君と過ごしたい。

たくさん喧嘩して、たくさん温もりを感じて―

…なーんて。願ってももう遅いんだけど

キンモクセイの花言葉
"真実"

―だから、ほら。君の本音を聞かせてよ
…手遅れに、なる前に

行かないでと、願ったのに。願っていたのに。

今は
行っていいよと、そう言ってる

もう、疲れちゃったよ。俺だって、疲れるんだよ。

―…そろそろ、終わりなのかなぁ？

凍える朝に、
冷たい空気が肌に突き刺さる朝に、

隣に静かに眠る君を抱きしめるのが俺の楽しみ。

だって生きてるって、すごく安心するから
―でも、恥ずかしいから絶対バレたくない