『あやふやなもの』
小さな灯りを灯し　本を読む　全てを忘れてしまう
だけども　記憶は消えない　黄ばんだページ　置いてけぼりって誰のこと？　倉庫の奥にしまった　感情が
自分の中から溢れ出す　

　　　　　　　『君を照らす月』

光が水面に浮かぶ　クランベリーがダンスする
稀有な夜　時は短く　首は長く　スライダーに身を委ね　君を照らす月　深く深く　潜り込んでいく　

　　　　　　　　『大地を枕に』

重力に寄りかかってみたのです　空の丸さを感じて
清香な草木の匂いに浸り　光を浴びて　眠りについて
この大地を枕に　

　　　　　　　　　『変光星』
光が届いた　暗雲を突き抜け　光が届いた　絶えず変化する　眩い光　打ちのめされた　想いの波も　確認できない気持ちの痣も　全て包み込むように

　　　　　　　　『祈りの果て』
私が階段を踏みはずす時　世界は国境を失った
揺るがない想い　乾いた思想　いつになったら目が開く　新たな息吹は瞳孔からやってきて　山中へ消え去った　捨てたはずの買い物袋にまた出会ってしまう
生まれ変わる　それは口だけ　貴重な時間は砂糖みたく溶け出した