『週明け』
１週間は巡る　笑顔だったり　楽しみな食事　思いがけない失言　後悔と青い空　ラップトップWi-Fiは不安定　念入りに歯磨き　浅い眠りと憂鬱の卵　この循環
多分永遠ではない　かといって終わりも知らないんだな　月曜日に花束を　なんとなく労いを

　　　　　　　　『公園の秘密』
鉄棒に座り　砂の味　すべり台は昨日の雨で濡れている　口元に指をあて　さあ、全部なかったことにしよう　黙ったままのスニーカー　紐が緩くなっている
内緒っていいな　なんだかいいな　手のひらサイズの罪の意識が刈られた草の上でいびきをかいている

　　　　　　　　　　『設問』
あまり知らないシンガーソングライター　良い曲だなって聴いている　四角い問題につまずいて　そっと答えをだすような　そんな曲調が好きだ　お別れの時は近づいて　呆気ないさよならの匂い　さぁ、僕は何を想う？

　　　　　　　　『感傷の果て』
夏の終わりに冬の寒さを一瞬感じた　国分寺駅でうずくまる　明日を謳う天使が浮かぶ　今日とちゃんとさよならしていないのに　私の仮初めの散文よ　季節の傷を癒して舞い散れ

　　　　　　『紙の月、ブリキの星』
今朝食べたパンは唇みたいな形をしてて　そのことを誰かに伝えたかっただけなのに　なにも言えずに夜がきた　哀しんでるひとがいる　紙は月だ　大事な決断を下したひとがいる　星はブリキだ　そんな夢想を空はいつも受け止めてくれる　それはもう無条件で