1/28/2025, 4:01:39 PM
『帽子の中の鳥』
帽子の中って居心地が良くってさ いつの間にかそこで暮らしてた 食事して眠って たまにあらぬ事を考える 季節の匂いも何度か嗅いだ 飛び立つのを忘れて帽子の中だ 飛び方も曖昧で羽を広げるのも怖くって それでも鳥なんだ どうしたって私は鳥だ
1/25/2025, 3:58:54 PM
『筆跡』
方眼紙を猫のまねして歩いてみるよ ティーカップの淵に座り込むあの子も誘って 夜に消えよう 物語の続きを書くのが好きだった 目覚めたアリスが何処へ行くのか 魔法が解けた王子様の寝顔とか 想像してみる 朝が来てちょっと忘れる 少しよろけた筆跡に
少し顔を赤らめる
1/24/2025, 10:27:27 PM
『戸締まり』
嘘が言えないと嘘をつき 私の鼻は高くなる あなたを傷つけないためだと話す 詭弁かもしれない そもそもそこまで言葉が整理できているのかな? 整然としたクローゼットの夢をみる 何かやり遂げた気になって そっと戸締まり
1/21/2025, 10:02:13 PM
『もう見ない地図』
ゆるい坂道 公園通り もう道には迷わないから
地図はいらない 確かめることを忘れて 道筋を覚えて 景色はゆっくりと変わる 寂しさは一定量
いつもポッケの中にある
1/20/2025, 9:55:26 PM
『振り向いて』
東向き 風は緩くて 冷たい頬を湿らせた 自分の暮らしを考えて 立ち止まった 階段前 頭上にまさかの赤い風船 いちど振り向いてと 誰かに言われた気がするよ