天坂えみる

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1/21/2024, 2:13:50 AM

        『海底暮らし』
海の青の底の底 真っ暗やみのその中で ひっそりひっそり隠遁しましょう 海底暮らしが長いので 真っ暗やみでも 絵が描ける 文章も認める たまに友だちにも会うんだよ 地上で暮らす人たちの知らない誰かとお茶だってするんだよ 地上も海底も空中も多分そんなに大差ない

1/20/2024, 4:17:37 AM

         『不時着』
駅のホームでひしめいて 私はその他雑種になってしまう ただの数字だ ひとふりの粉糖だ 会いたい人がいるのに溶けてしまいそうだ あなたが遠い 銀河みたいだ 

1/19/2024, 3:22:03 PM

       『読みかけの本』
ブックエンドに寄りかかって見る星は サンテグジュペリの苦悩の色だ 斜塔のように積み上げた読みかけの本たちが 新刊の本に嫉妬する 私のちょっとした気まぐれが 本の世界を駄目にする 

1/17/2024, 1:42:58 PM

         『夕嵐』
太陽に手を振って また明日 つむじ風をみたよ
葉っぱが舞って 新しいダンスを思いつく 外環状は
今日も渋滞 ラジオは微妙な政治批判 いたって私のダンスには無関係なことばかり 風が止んだら踊ってみるよ 爪先立ちの水鳥になって

1/16/2024, 3:18:41 PM

      『フレンチクルーラー』
僕らはいつも冷蔵庫の前に立って ほどよい甘さを求めてる ポケットに手を入れて 退屈のふりをする
フレンチクルーラーのくるくる タイヤみたいできれいだな でも食べたらもうない ほんのりした寂しさが コーヒーを淹れなきゃと慌てて沸かしたお湯みたい

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