天坂えみる

Open App
1/20/2024, 4:17:37 AM

         『不時着』
駅のホームでひしめいて 私はその他雑種になってしまう ただの数字だ ひとふりの粉糖だ 会いたい人がいるのに溶けてしまいそうだ あなたが遠い 銀河みたいだ 

1/19/2024, 3:22:03 PM

       『読みかけの本』
ブックエンドに寄りかかって見る星は サンテグジュペリの苦悩の色だ 斜塔のように積み上げた読みかけの本たちが 新刊の本に嫉妬する 私のちょっとした気まぐれが 本の世界を駄目にする 

1/17/2024, 1:42:58 PM

         『夕嵐』
太陽に手を振って また明日 つむじ風をみたよ
葉っぱが舞って 新しいダンスを思いつく 外環状は
今日も渋滞 ラジオは微妙な政治批判 いたって私のダンスには無関係なことばかり 風が止んだら踊ってみるよ 爪先立ちの水鳥になって

1/16/2024, 3:18:41 PM

      『フレンチクルーラー』
僕らはいつも冷蔵庫の前に立って ほどよい甘さを求めてる ポケットに手を入れて 退屈のふりをする
フレンチクルーラーのくるくる タイヤみたいできれいだな でも食べたらもうない ほんのりした寂しさが コーヒーを淹れなきゃと慌てて沸かしたお湯みたい

1/15/2024, 2:16:01 PM

      『つくってこわそう』
世界遺産を眺めるの もう飽きた こわそうこわそう
少しずつ 明日には何が残るかわからない 残り少ないマヨネーズの容器の切なさが 次の何かを創るだろう 少なくとも500年、1000年 時計の針の徒競走
ゆっくりなようで とても早い 速いようでゆっくりすぎず 世界よ世界 思ったよりあなたは美しい

Next