『雪待ち』
吐く息の白　ほっと胸を撫で下ろす　ベッドタウンは冬のお洒落を楽しんでいる　私はペットボトルの紅茶を持ってまた歩く　こんな日は雪の結晶が見たいなと
吐息の雲を作ってる　家に帰ればあなたがいる　

　　　　　　『エレクトロニカの夕』
眠れなくて泣き虫のサラウンド　夜風が季節をさらってしまう　ミルクを注いで愛になる　ホットミルクが好きなのは　小さな頃から音のシャワーを浴びていたから　今日の悲しみは無駄じゃない　なぜだか強くそう思う

　　　　　　　　　『童心』
心と心が斜向かい　海を隔てて　空がそこに入りこんでくる　砂遊びは天地創造　僕一人で創ってもいい
君の手が加わっても　それもいい　お城は3回踏み潰したんだ　今度はきっと納得いくまで

　　　　　　　『知らないフリ』
知らないフリをしよう　手品師のように上手くやり過ごそう　紫のマントが揺れている　僕の鼻が赤らむ時に　嘘は前のめりでこっちをみている　トロールみたいなアイツの眼　私の小さな心臓は知ってることを話してしまう

　　　　　　　　『同胞意識』
怪物の脳みその中に住んでいる　恐怖を仲間で分けあって　かりそめの日常がそこにある　そこから逃げるという選択肢　ないわけではない　だけどしない　同胞意識の名のもとに　今日も恐怖が共有される