10/26/2023, 3:45:26 PM
『恋がはじまる』
お祭りのあと 誰かが落とした小さな時計 ベンチで誰かを待つように 文字盤がひっそりと光を放つ 私の願いは大きいようで小さくて ついつい時計に想いを重ねてしまう 悪いことと知りながら 地獄の門をノックする 天使が出たら恋のはじまり 悪魔が出たら心臓ごと奪われる ひとりぼっちの想像はさぞかし
気味が悪いだろう だけどあなたが望むならB5ノートの切れ端をほんの少しだけ見せてもいいよ
10/25/2023, 9:06:21 PM
『アメリカの友人』
記憶は霞む サーモン凍る冷凍庫 連絡なんて暫く取っていない 手紙を書こうか アメリカの友人 元気ですか?なんて 常套句で 窓の外 鳩が唄う ちっとも平和の歌に聴こえない ただなんとなく君がギターをつま弾き唄っていたのを思い出した
10/24/2023, 2:27:52 PM
『はなればなれ』
一人の帰道は心悲しい 消えかかった街路樹の灯り
点滅するたび 胸を打つ できれば今、雨が降って欲しい 大雨でもかまわないから 雨が降って欲しい
躯が濡れて 髪が乱れても 気持ちは一向に変わらなかった 心よ、どうかはなればなれにならないで
10/23/2023, 2:33:01 PM
『蒼すぎる世界に』
海も空も絵の具も声も 季節の風に混ざり合って 新たな色になろうとしている 一目みたら青 深さに気づけば蒼すぎる 跪く世界の胞子 青だけの世界で
10/22/2023, 2:58:13 PM
『ミニマリストの孤独』
必要最低限を手のひらに それさえもいつのまにか消え去って 冬の切符も失った マフラーは何故捨てた? 整理じゃなくて捨てたんだ 醒めた後に気づく
この孤独 いつも いつも同じなんだ 衣替えを待つ服も無く 暫く途方に暮れている