8/2/2023, 3:23:42 PM
『天井に告ぐ』
ベッドがやや硬い 仰向けな私が見る空は作りもの いつか地方の温泉でみたような はたまた
ショッピングセンターだったか 天井は思い出の主だ
今日もまた自分だけのミニシアターを天井に映しながら いつか役者を続けているであろう友人と本当の空がみたいと願う
8/1/2023, 3:17:49 PM
『明日もし晴れたら』
明日もし晴れたら 日干しになって 骨と肉が露わになって 恥じらい忘れて過ごしたい 独りの午後は優雅かもしれない 紅茶とスペアミント 足りないものなんてあるだろうか 夜は夜とて お日様と戯れたお布団がそばにいようと呼んでいる
7/31/2023, 2:17:12 PM
『緊急ぼっち宣言』
夜中の蝉の鳴き声は サービス残業みたいで好きになれない 私といえば 押入れ近く ひとりぼっちで布になる 誰も話しかけないでということだ 布になり
私はほわほわ現在進行系 緊急事態だから仕方ない
顔や胸や髪が緊急事態だ 私なりのクールダウンだ
7/30/2023, 8:56:08 PM
『両目』
まったくおなじ視界で まったくおなじ想像を 真っ直ぐ過ぎて 心地良い このまま伸びてけ アルバニアまで線路が伸びる 卑屈になってもいいけど 腐ったままでいるなよ 叔父さんがくれたチケットがひらひらと道を示してくれる 私はそれを両目でしっかりと見つめていた
7/29/2023, 11:41:09 PM
『海が荒れる日』
震えるベランダ 赤錆のざわめき 怪獣たちが見渡す海の憤怒の瞬間 地球の寝言で荒れる海 船長の自慢の船も塵でしかない 船長は言う 塵にも希望がある
地理の中にも星がある やがてその光は小さくも大きい光玉になって 世界地図の一部となった