7/30/2023, 8:56:08 PM
『両目』
まったくおなじ視界で まったくおなじ想像を 真っ直ぐ過ぎて 心地良い このまま伸びてけ アルバニアまで線路が伸びる 卑屈になってもいいけど 腐ったままでいるなよ 叔父さんがくれたチケットがひらひらと道を示してくれる 私はそれを両目でしっかりと見つめていた
7/29/2023, 11:41:09 PM
『海が荒れる日』
震えるベランダ 赤錆のざわめき 怪獣たちが見渡す海の憤怒の瞬間 地球の寝言で荒れる海 船長の自慢の船も塵でしかない 船長は言う 塵にも希望がある
地理の中にも星がある やがてその光は小さくも大きい光玉になって 世界地図の一部となった
7/28/2023, 2:36:47 PM
『地元の盆踊り』
地元の盆踊り 有名な花火大会も同じ日だ 酔ったおじさんがやたらと踊る 昼にテントを準備していた人だ 少し並んで 焼きもろこしとソーダ水を買う それ以外は別段なにも 遠くで微かに聞こえる花火の音
花火はちっとも見えないけれど 確かに聞こえる花火の音 ソーダ水は飲みかけで すっかりぬるくなってしまった
7/27/2023, 9:15:50 PM
『神様のことば』
人から人へ神様のことばの伝言ゲーム だいぶちがってしまった 別の何かになってしまった それをよいことに とある人が神様のフリをする 勘違い甚だしいのに 狂熱する人々 何か起これば神様のせい 奇妙な人々はドミノ倒しになっていた
7/26/2023, 3:54:04 PM
『血液』
スクラップ工場の鐘の音は 不穏な報せだ 住民はカップ麺をすすりながら茶番劇を心待ちにする 3分経過
15分は寝よう 明日は知らない むしろ1分後にも興味がない 植林たちが嘲笑う 意思のある血液が諦めるなと十字架つくる