天坂えみる

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6/27/2023, 3:01:16 PM

         『逃避行』
あの遠雷が聞こえたら こっそり此処を抜け出そう
誰も気づいてないけれど 此処は闇に包まれる ひっそりと侵蝕するように インドの雄牛がその名のとおり通路を牛耳っている 廻り道を繰り返す まるで巣のない蜜蜂のように とんだ間違えかもしれないけれど 僕たちは生きている 着せられた汚名を脱いで
裸のまま生きている

6/26/2023, 2:15:09 PM

         『最終回』
別れの朝の静けさは 準急列車の自責の念だ あの時
あの場所に停まっていればと月並みな後悔に苛まれる
これは何度目の最終回? 終わり終わりと釘打って
アルコールに頼ったり ロバの耳と叫んだり 揺れに揺れる忘却線 私がまた朝一番の他愛のない欠伸に出会うまで そう時間はかからなかった

6/25/2023, 2:42:27 PM

         『寒暖差』
寒暖差に憔悴する花々に労いの言葉を 目眩を覚える新緑の中、僕は鼻風邪をひいている 絹のような気持ちは絹のような言葉を紡ぐ 当然の事のような話だけど私はそこに気づけなかった

6/25/2023, 4:43:17 AM

       『一年たっても』
今、胸にある感動が 一年たっても感動のままだろうか 季節の節目の風邪にやられて バイ菌たちと何処かにいってしまわないかな? おやすみなさいと夢の中 バクがごっそり食べてしまわないかな?
色んなことが気になって そわそわと毎日暮らしてる
感動のことを考えて 日々感動してるみたいだ 色々なかたち 色々なじかんで

6/24/2023, 11:52:31 AM

      『思ひ出の中の猿人』
小さな頃、猿人を見た やや遠目に畑の向こう イナバ物置を三段跳びで越えてった 恐怖もなく驚動もなく ただ呆然と空っぽな私 きっと猿人が心を持っていってしまったなんて考えて この時の出来事は灰色の空と秘密を分け合うことにした

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