『蜜柑色』
午後4時半過ぎ 蜜柑色の空 珈琲色もいいけど 私はこの空が好きだ 水溜りは昼寝したまま渇水していく
次の雨に期待するネジバナがひょっこり顔を出している 小学生、じゃんけんしながら帰り道 あゝ蜜柑ゼリー食べたいな できるだけ蜜柑がたくさん入ってるやつ
『ワンダーフォーゲル』
この七並べが終わったら きっとあなたとさよならだ だから僕はいかさまをする 山になるトランプ さめざめとクローバー 寂しさはすっかり居候してる この山はきっと一人で越えられないだろう 恋人なんてとうに過ぎてる 二人で登ろう 頂上で疲れきってオレンジを頬張ろう
『槍の雨 同じ傘の下』
世界の終わりなんて言葉が生温く感じる朝だ 絶え間無く槍の雨 僕たちは同じ傘の下にいる センスの無い蝙蝠傘だ 笑っちゃうよな争いなんて 僕らが今日死んでも情報になるだけ 映画のような恋をしたこと
そんな話は語られない残らない だったらせめて生き抜いて なるべく、そう 同じ傘の下で
『落花生』
恋は実った 仲良しはいつまでも途切れない線路のように 千切れない雲雲のように 続いていくと思ってた 私たちは落下する 急降下というやつだ 手はつないでいるのに 離れてしまう途切れてしまう 環境保護団体が永遠という言葉にペンキを撒き散らす 私たちは思わず息を殺し 茶色いベッドに横たわり 終わってしまった枯れてしまった
『期待はずれ』
未来はいつも期待はずれだ 僕の柔な妄想はぱさぱさの粉チーズ どうにも食べられないそれなりの現実 絶望するほどでもない 明日は変わらずやってくる
視線の先にヒントはないか? アイデアはきっとそのへんに落ちている 探そうじゃないか 見方を変えて 妄想を捨てて