『或る日の瞬間移動』
どれだけの夜を超えても 光の速さに追いつけない
私の瞬間移動にも限界があるようだ 人間の中では超人だが、それは人間界だけでの話。 中途半端に人間を超えたから 見ることのない世界の住人をみてしまった そこにある仰天の文明を垣間見てしまった
『レモンソングは廻り続ける』
甘い唄に嫌気がさして 猥雑なロックンロールを鳴らしてる 哲学だなんだ 考える葦だなんだ 藪の中で
蛭に噛まれるくらいうんざりしている 答えなら組み立てれば良い 君の好きなあのフレーズ あの痺れる文体も格言と云われているあのセリフを 組み立てて組み換えて ほらほら、立派なモビルスーツになったでしょ?
『嘘つきになれたら』
ほんの悪戯だって放っておいたら 手のつけられない化け物がそこにいた 綺麗な水は残っていない心さえも枯れていく 実直に生きて疑うことを知らずに歩いてた 化け物を否定する気にはなれず佇んだ せめて
そうだなわたしが嘘つきになれたらいいのに
『流星を待つ』
流星を待つ 煌々とストーブの灯がゆらめく ここには他に誰もいないよ ひとりぼっちという贅沢だ
紅茶があるよ蜂蜜もあるし、何よりティーカップがお気に入り 紅茶に蜂蜜入れた時 私は他の誰かを思い出す あの人もこの人も元気かなって思ったら 連絡したくなりました。流星はつゆ知らず そそくさと夜空に溶けてった
『白線』
白い線が引かれる ここから先は欲深い方々の垢だらけ 入らない方がいい 見ないに越した事はない 線があったら跨ぎたくなるものだけど 立ち入り禁止と誰かに聞いた ルールだからと誰かに聞いた 特に大きな疑問は浮かばなかった ルールという言葉は強い
多くの人はルールの中の笑い方を知っていた