天坂えみる

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2/22/2023, 10:56:46 AM

         『午睡』
晴天、太陽の下で午睡をしている 我が人生のピンぼけを帳消しにする午後だ 飛行機が飛んでいる 私も
私で旅をするフリをする 脳内フライトは大気圏外へ
太陽のようなものを発見 それが太陽かは定かではないが、みればめらめらと燃えている 赤褐色に包まれて 目も耳も脳みそさえも機能不全に陥って 怯えたように目を覚ます 『ふぎゃあゝ』という私の叫びが
誰かに聞かれていませんように

2/21/2023, 11:57:44 AM

          『絶無』
薬指を濡らして考える 私は入れ物だったのか
古書の匂いで頭が揺れる 額は奴等の窓口で
所謂、移民が始まるらしい 私はもうじき空っぽで
記憶を全てなくすだろう 空の存在 あの青い空の存在 雲の名前 あの白い雲の名前 これを終わりと呼ぶのか始まりと呼ぶのかわからないほど眠くなる

2/20/2023, 12:21:06 PM

        『余地は無い』
町工場に被害者の列 それを嘲笑する鴉の群れ
道を誤ってしまったのだろうか それとも考えが甘かった? 全て自分のせいなのだろうか? 好ましくない夕暮れにまたしても鴉は鳴いて カァカァカァ、、
中途半端に寄り添って 共感ならしたフリだ
つまらない小説くらい同情の余地は無い

2/19/2023, 12:08:54 PM

         『枯葉踏み』
ピアノの鍵盤を弾くように 枯葉が積もった道をいく
スタッカートで跳ねる少女は 髪のリボンが解けてる
澄んだ笑顔に微かな汗が光ってる 春を待ちかねる草ぐさが踊る少女に拍手喝采 春はもうじき枯葉は土へ

2/18/2023, 12:20:33 PM

       『一日のおわり』
足や手にもちろん首にも労いの言葉をかけてあげよう 
私が眠りに落ちたとき 小人が遊びにやってきて
ホットミルクをねだるのだ 小人に耳を引っ張られ
寝返りを三度する 闇夜と月が遊ぶとき 小人もすっかり眠ってる 一日がおわる 明日がはじまる

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