2/6/2023, 4:19:14 PM
『針の報せ』
時計の針、5分ごとに噴水の飛沫 寝耳に入る水
夕暮れに染まって 各駅停車 うるめいわしが良い塩梅で焼けている 冗談なら忘れてしまいたい 猿芝居で済ませたい 薄めのウィスキー水割りが 針の報せを聞くようにと僕を促がす。
2/5/2023, 10:56:10 AM
『溢れる』
完熟のトマト缶 溢れる溢れる
あり地獄に蜘蛛の糸 溢れる溢れる
悲しむ林檎 溢れる溢れる
100m走男子女子 溢れる溢れる
ぼくわたしみなみなみなさん 溢れる溢れる溢れるかえる
2/4/2023, 10:55:40 AM
『くちづけ』
例えば溶けかけのチョコレート あまり着ることのない真緑のベルボトム 夏の日差しで劣化してきたパラソル 砂漠の熱砂の下、夕暮れを待つネズミ 全ての孤独を深夜ラジオのDJに委ねた瞬間 触れるだけのくちづけが様々な場面を思い起こさせ その先へまたその先へ。。
2/3/2023, 11:19:36 AM
『軟体動物は1000年後にほくそ笑む』
恋人だってまわりに自慢したいけれど、現状、恋人未満のあの人と電話で話した日曜日。きっと1000年先の未来は軟体動物の世界になる説で大いに盛り上がる。
生活基盤は海の中、ふにゃふにゃむにむに暮らすのだ。そう考えると私達も時代を先取りしてふにゃふにゃむにむにしたくなり、夢の中海の中、ふたりしてにやにやにかにかとほくそ笑む。
2/3/2023, 12:33:01 AM
『忘れないよ』
地球が飴玉になって誰かさんの口の中で溶けてしまっても 私は忘れないある朝君が忘れたマフラーを走って届けた時みたいに必死になって思い出すだろう あの頃大好きだった絵本を手にとるようにきっと私は思い出す