『優しさでできている』
今朝、テーブルに醤油をこぼした 目玉焼きに笑われて 萎れたほうれん草のような気分 潤い求めてどこいこう 広い公園の片隅でサックス吹きのロングトーン 足元では露草が揺れている とある人に日光浴を勧められ、只ぼーっとしてみる 頭の荷物を捨ててみる あたまの白くて固いとこ 白玉団子になっていく
なんでもない日の優しさが朝日といっしょに降り注ぐ
『夜はご機嫌ななめ』
月のすべりだいが雨露で濡れている 夜はすべりだいでお気に入りのキュロットを濡らしてしまう
夜はそれはそれはご機嫌ななめ 世界各地は憂鬱の嵐だ 眠れないのは君だけぢゃあないよ ここにもいるしあそこにも 苦しいのは君だけぢゃあないよ 隣のあの子も遠くのあの子も 夜の八つ当たりはひとまずおしまい ごめんなさいのお日様のぼる朝がまたくる
『揺れている』
安心は恍惚と連れ立って暖かい方へ行ってしまった
心は萎み不安の粒が浮いている 僕の頭は揺れている
嬉しさ、悲しさ、さもしさ全部 頭の中で揺れている
『逆光写真』
光を集めて放って 僕の居場所を知らせたい 写真ので中は窮屈で作り笑顔が行進してる 天使と呼ばれて浮かれてしまい 取り巻きは山蛭のように吸いついてくる 枯葉に映る僕の素顔が見えるひと そんなひとに僕は会いたい
『こんな夢を見ました』
こんな夢を見ました 私は蜂の赤ちゃんで星形の部屋で眠ってた 他にも星形の部屋がたくさんあるけど誰が眠っているかはわからない そもそも私はそこにいけない 私は私はだけの星形の部屋でブラック労働蜂が持ってくる何らかの虫の脚だとか翅だとかをくちゅくちゅ食べる 黄色いげっぷをした時に漂うは蜜の匂い その匂いに包まれて気づけば朝の6時です ああ、
ハニートーストが食べたいな