『冬休み』
食べすぎた蜜柑 甘すぎる缶コーヒー 炬燵に猫
怠惰も寒さも僕の味方だ 萎れた千円札またしても
コンビニに行く 口内炎がたまにキズだ
お煮しめは厭だ ジャンクフードだ冬休み
『てぶくろの中で』
あの温かい場所へ行こう 空想するのは甘い太陽
五人一緒にいたいのだ あそこなら五人一緒に
甘い太陽に触れられる ぬくぬくなのだ
ぬくぬくしたい! それ以外のことばが出ない
ぬくぬくしたい存分に そう、てぶくろの中で
『変化』
レモンライムを齧って10年分の息をする
ウッドボードを転がるライムそしてまた10年分
鼠の抜け穴Hello Hello そしてまた10年分
さて日常に変化はあるのか、ふし穴で間違い探しをするのか また明日ハンバーガーとコークに舌を打つのか 疑問符をぶら下げて、あるはずもない休日に潜り込む
『クリスマス』
もみの木をふりをして ガーランドを召している
沢山のじつに沢山の愛恋を眺めてきたよ 若葉は繁り
いづれ枯れゆく 私はサンタではなく、只のクリスマス 人では無いし、ましてや神の類いなんかでは毛頭無い 只のクリスマスという一日だ 私が24と指折り数えていると、クリスマスだしね クリスマスだからと口々に言って人々は私にエピソードを残してくれる
そして私は噯気をしながら、年末へと帳をおろすのだ
『イヴの夜』
イヴの夜 結ばれる イヴの夜 梱包する
イヴの夜 交通渋滞 イヴの夜 こうしていたい
イヴの夜 グラスワイン イヴの夜 焦らすLINE
イヴの夜 蝋燭見つめて イヴの夜 消息絶つまで
イヴの夜 もう終わるね イヴの夜 さあ始めよう
幾千もの偶然の出来事 偶然の人々 奇跡なのかも知れないし、別段変わりの無い事かも知れない
『クリスマスって素敵だね』ってあなたが云うので
全ての偶然を奇跡のように愛してしまうんだ。