『拝啓、風邪をひきました。』
拝啓、風邪をひきました。私は思いの外、大丈夫。
うつらとうつらとしているうちに、決め事いくつか思い浮かんだ。作り笑いをやめました。空気の先読みやめました。時間をあげるのやめました。人の話しは聞き過ぎない。余計にお菓子も受け取らない。寄り目でキミを見つめるのは。。やめられないかな?どうだろう? 気づけば私、微熱でホットケーキを一枚焼いた。食べましょう食べましょう食べたらもう一度眠りましょう。すこやかな朝日を浴びて、まっさらな私を始めるために。
『雪を待つ少女』
雪を待ってるの。寒さ深まる午後の4時 薄暗い電灯が
夕闇とキスをする。 もしも雪と出逢えたら、膝上15cmのスカートでふわりと舞ってダ•ドゥ•ロンロンを口ずさむ。あたしは一人公園で だあれもいない公園で今年一番の初雪の第一発見者になりたいの。
『イルミネ』
変わりゆく信号をじっとじっと見つめている
アスファルトと抱き合って油まみれの夢をみる
ハロー地球はおしまいです。月があんなに青いもの
隣の鮫肌おばさんの歯軋りちょっとうるさいな
人がこんなに多いのに美しい人いないよな
これこそ退屈! 全身飽和状態!
発光体よ。その鈍い光で私を照らせ!
『せっかちなサワークリームと歩くビネガーソース』
わけもわからずオニオンな月曜
酸味が欲しくて悶える火曜
二人の行末はいかに。。な水曜
ビターズエンドの映画のような木曜
ただ君に用がある金曜
Z世代が咽び泣く土曜
フランキーはハリウッドに行かない日曜
そしてまた週明け、私は愛を注いでる
『心と心』
心臓さん、私は紅い小鳥です みみずを啄む小鳥です
寒空さん、あなたにひとつ云う事は
カラメルプリンをあげるから、私から遠く離れて下さい 心臓さん、寒空さん、私は侘しい小鳥です