君の出産は病院ではなく
ママが長い間住んでいた家で、
それはイレギュラーなお産だったかもしれない
けれど、あの日入院して手術室で対面するよりかは
幸せなお産だったと思うんだ
よくがんばったね
ママに時間をくれてありがとう
仕事しようと思っていた。
ただ、無音に耐えられなくて
BGMがわりにと再生した録画から
目が離せなくなり
全て見終わったあとも
曲が頭の中で何度もヘビロテされ
関連の動画をググり始め
ついには布団の中にもぐり
その曲を聴きながら束の間の休憩
心のどこかで
身体の中から
休憩を求めてる
今日は好きなもの見て
好きなもの食べて
好きなことして
好きに囲まれる1日
今日の私お疲れ様
明日の私よろしく頼むよ、笑
気づいたら泣きたい気持ち
気づいたら滲んでいる涙
その気持ちその涙には
きっと理由があるわけで
でもその理由を追わない
複雑な理由の一つひとつを
明らかにしない
思うままに涙を流す
たくさんの情報から離れるのも身を守る手段
I love...I love...
心の中で唱えながら
うかんでくる愛しいものに
I love...I love...
わたしもよと声を掛ける
図書館に入る
1日に1冊読んでも今世では読みきれない
それほどの数があるたくさんの本
自分がこの世に誕生する前からある本
自分がこの世にいなくなっても存在し続ける本
この中に自分の名前が残せたら
今まではそう思っていた
でも今はあなたを残したい
あなたがいた証を残したい
私は作家ではないから
私の日記帳にあなたを残す
今はだれにも存在を知られないただの日記帳
今は私が読み返すしか意味を持たない日記帳
やがて私がこの世からいなくなったとき
その日記帳は
不謹慎なことだと承知の上で
自ら死を選ぶ人生があったとしたら
海へ入水して——
この道に飛び出したらトラックに......
痛いな
線路に飛び込んだら......
いくら支払わなきゃなんだろう
こんなこと考えて
できないって思ってた日もあったけど
あの海を見たら
波が来て楽しそうにしているふたりを見てたら
万が一、そんな時が来たら
ありかもしれないと思った
——なんてことは、ふたりには内緒。