眠りさえ
れんずに映らぬ
ながい夜
いいねと
ほんき
ドラッグみたい

「いま行く」と
からりと笑い
なかよさげ
いつも僕は
でんしょばと

白い紙
目を背けても
効き目なし
利子を返せよ、怠けた自分

(「〆切」だけは『忘れたくても忘れられない』)

再提出
「見損なった」が
染みついた
いつもひとりの
夜は更けてく

(『涙の理由』がわかれば楽になれるかな)

せわしなく歩く人の群れは今日はもうどこにもいない
会社であくせく働かされていた日々も
今ではひどく懐かしい
最高の一日にしようと意気込んでも結局
いつもどおりの休日が心地よくて
ごちそうと呼ぶにはささやかな晩餐を前にして
のんびりとその時を待つ
ひそやかなしあわせとかなしみをかみしめながら

(『世界最後の日』)