紫紀

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8/5/2024, 3:12:01 PM

【鐘の音】

ゴーン
ゴーン


耳が痛くなりそうな程
冷たい静寂に支配された聖堂の奥。

厳かに、その鐘の音は鳴り響いた。


まるでそれを待っていたかのように現れ、
次々と踊るように舞う無数の影。

鐘の音が消え、再び訪れる静寂。

月明かりすらもない幽暗の中、
音も言葉もない影たちの舞踏は続く。


次の鐘の音が響くまで。


8/4/2024, 3:04:58 PM

【つまらないことでも】



つまらないことでも
ちゃんと話を聞いてあげれば良かった

つまらないことでも
もっと楽しむ気持ちを大切にしたら良かった

つまらないことでも
『ありがとう』をもっと沢山言えば良かった



どんな小さなつまらないことも
君と一緒にする事は
もう永遠に出来ないのだから

3/21/2024, 1:13:31 PM

【ふたりぼっち】


灯りの消えた街

聴こえるのは遠く風と波の音



瞬く星明かりの下に

君とふたりぼっち



生命の音が途絶えた世界

残された君との時間はあとどれくらいだろう



君を見送るのと

君に見送られるのと

どちらが辛いだろう



出来ることなら

最期は君と一緒に迎えたい



そう願いながら

残された力で君の手を握りしめていた

1/25/2024, 11:52:02 AM

『安心と不安』


光があるから世界が照らされる

心許せる人が居るから前を向ける

夢があるから1歩踏み出すことが出来る

大切なものがあるから生きられる




そんな単純な仕組みなんだ

僕たちの毎日は




光がなければ世界は闇に沈む

心許せる人が居なければうつむいてしまう

夢がなければ立ち止まってしまう

大切なものがなければ心は死んでしまう




そんな不安定な生き物なんだ

僕たち人間は

1/24/2024, 3:12:19 AM

『こんな夢を見た』



夢を見た

遠く儚いあの日の光景

すべてが優しく、温かかった日々の夢



夢をみた

今はまだ遠い別離の光景

いつか、きみが居なくなってしまう夢



隣にいることも

声を聴くことも

手を繋ぐことも



当たり前のようにそこに居るきみも

いつかは時と共に溶けて消える夢




微睡みのようなこの日々を

日だまりのようなこの温もりを

いつか訪れるその日まで

大切に慈しもう



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