いつもならこの駅で降りるけど、今日は部活の大会があるから通り過ぎる。
非日常の高揚感が体を駆け巡る。
大会に対する緊張も一緒に駆け巡る。
ふたつのドキドキが合わさって、心拍数を上げていく。
けれどそれが心地良い。
#列車に乗って
遊んじゃダメだ遊んじゃダメだ遊んじゃダメだ遊んじゃダメだ─────────
やだなあテスト......
#現実逃避
「受験に集中したいから別れてほしい」
そうして君は司法試験に挑んだ。
合格率が低いのをものともせず、君は晴れて弁護士になった。
努力が報われた君の隣にいられなくて悲しかった。
けれど、私が居たならきっとその君の笑顔は見られなかったから、と自己暗示をし続けた。
だからかな、テレビに出た君を見て、少し胸が苦しくなった。
殺人をした、って。
初めて知ったよ私。
自分の母を殺した人の罪を重くするために君は弁護士になったんだね。
でも、あの犯人は証拠不十分で釈放された。
それで、自分で、君自身の手で、あの犯人に罰を下したんだね。
私は思うんだ。
君って馬鹿だなあって。
でもね、元気でいられるのならばそれでいいのかもしれないね。
会いたいなあ。
#君は今
母も父も誰もいない俺にとって、掛け替えのない子なんだ。
金は全部出す。
だから、産んでくれ。
勝手だって思ってくれ。
お前が要らない子だっていうなら、俺が一人で育てるから。
産んでしまえばお前に関わらせないこともできるから。
なあ頼む。
その子が居れば、俺は生きられるんだ。
命綱なんだ。
だから、
堕ろすとかはやめてくれ。
我が子を捨てたくないんだ。
#小さな命
あたし、あなたが好きなの。
大大大好きなの。
毎日あなたのことを考えるくらいには好きなの。
気づいてる?
え?
あたしが誰かって?
やだなあそんな冗談。
あなたの右隣の家のあたしじゃない。
そうそう、あなたがよく行くコンビニでアルバイトしてるあたしだよ。
そんなこと言うだなんて、あたしちょっとショックだなあ。
え?
あたしが人間かって?
そんなの、想像におまかせするわ。
#Love you