飛花

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11/30/2023, 2:57:32 AM

 早く来ないかなと彼を待つ。まだ11月中旬なのに、薄い長袖じゃ耐えられないほどの寒さだ。そんな中5分経っても来ないだなんて、一発デコピンをかましてもいい気がする。
「遅れてごめん、ちょっと寝坊しちゃって」
「遅れるのはいいんだけど、連絡してほしかったな」
 お仕置きとしてデコピンをしてやった。彼は目を白黒させて「痛あ」とかしているけれど知らない。そっちが遅れるのが悪い。
「ほんとにごめん、咲優。拗ねてないで行こ。時間が勿体ないから」
「いや誰の所為だと思ってんのさ。まあいいけど」
 彼がわたしの手を引いて歩き出した。彼の手がとても暖かく、わたしを大切に想っているのだなと感じて、嬉しくなる。遅刻されて怒ってた癖にそんなので嬉しくなるなんてチョロいと思われるかもしれないけれど、わたしはそういうものだ、仕方がない。
 最近手を繋ぐのに少しずつ慣れてきて喜ぶ自分がいることに気づく。これから冬だし、手汗とか気にせずに繋ぎたいな。





#冬のはじまり

11/28/2023, 12:20:29 PM

幸せでも不幸でも、その時間はいつか終わるんだって。
でも、幸せなときはずっと続いて欲しい。
そう、今のような時間が。
あなたを愛すことができて、
あなたに愛されることができる時間を。
ずっとあなたを想っていたい、
ずっとあなたに想われていたい。
そしてそれをずっと、噛み締めていたい。

幸せでも不幸でも、その時間はいつか終わるんだって。
でも、不幸なときはすぐに終わって欲しい。
そう、今のような時間が。
あなたを呼ぶことが許されなくて、
あなたに呼ばれることが二度とない時間を。
早くあなたに許して欲しい、
早くわたしを受け入れて欲しい。
けれどそれはずっと、叶うことはない。



#終わらせないで

11/28/2023, 8:15:12 AM

彼を想い続けて多分一年が経とうとしている。
その大半が片想いだったけれど。
そろそろ恋は終わりかな? 
彼と愛を育めているかな? 
想いはもう愛になれたかな?



#愛情

11/27/2023, 12:21:26 PM

心配で心配で家を訪ねる。
「大丈夫、もうほぼ熱下がったから」
ほぼってことは、下がり切ってないじゃん。
お大事にしてね。



#微熱

11/25/2023, 12:47:19 PM

昼食を食べなかった。なんてことない、昼時が丁度忙しくて、食べる時間がなかっただけのこと。
もう3時になってしまったけれど、昼食という名の軽食を取ろうか。かなりお腹が空いているが、食べ過ぎてしまったら夕食が食べられなくなる。でも、今日は早く寝てしまおうと思っていたし、お腹が空いて眠れないなんてことはないかもしれない。ならば、お腹いっぱい食事をしようと思う。
ふと行きたかったカフェを思い出す。いいお値段だなと思って、ズルズルと行くのを躊躇ってしまっていた。良い機会だし、今から行こう。
清々しいほどの快晴なのに、ひどく寒い。風があるからなのかも知れないけれど、1番の原因は食事をしていないからであろう。日光だけでは身体の冷えは解消されない。
つまらぬことをうだうだと考えていると目的地に着いた。お洒落な木の戸に掛かった観葉植物が、太陽に照らされキラキラしている。ここで待っているのは、どのようなものだろうか。それを確かめるために、店の扉をそっと開いた。





#太陽の下で

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