飛花

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11/17/2023, 5:12:12 AM

「転校しても、ずっと友だちだからね」
 毎日のように一緒に登下校し、毎日のように放課後一緒に遊び、毎日のように大好きだった。
 ずっと友だち、ね。親友くらいにはなれていたと思っていたのに、僕だけだったのだなと泣いてしまったのを覚えている。
 にしても、彼女がどこに行ってしまったのか知らないし、知る由もないし、知る気もない。過去の人間関係に囚われずに、前に進もうと決意したから。だというのに。
「久しぶりだねっ」
 彼女は突然目の前に現れてそう言った。
「ねねね、昔みたいにどっか行こうよ」
「特にここら辺行って楽しい所ないよ」
「いーの! 君と遊べるだけで楽しいんだから」
 後ろ髪を引かれる思いになった。前に進もう進もうとしているのに、彼女は僕を過去へと引っ張る。どうして、と思う間もなく、彼女は僕の手を引いて歩き出そうとする。
「この街も随分かわ……」
 思わず彼女の手を振り払ってしまった。折角割り切った思いを、思い出したくなかった。
「なん……で? 友だちだったじゃん」
 本当に友だちだったのかね。もう僕は知らない。
「バイバイ」
 じゃあね、ではなく、バイバイ。二度と会いたくないということだ。彼女にもう会うことはないから、僕はまたちゃんと前を向けるようになるのだ。




#はなればなれ

11/16/2023, 7:11:16 AM

成熟しても可愛がられる猫は羨ましい。



#子猫

11/15/2023, 12:17:59 PM

紅葉。黄葉。役割を終えた葉がハラハラと落ちる。風が吹いてそれを促進する。




#秋風

11/13/2023, 10:15:26 AM

寂しくなってしまう、あなたとたった一日会えないだけで。けれど、毎日会うのは迷惑だから。毎日会うと飽きてしまうから。そう思ってわたしは、あなたにゆっくりと手を振った。



#また会いましょう

11/12/2023, 4:00:32 PM

「いやー俺ギリギリにならないと課題やれないんだよね。やる気出ないっていうか」
友達はそう言う。まあいいだろう、それで苦しむ日がいつか来るのだから。



#スリル

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