NoName

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6/2/2025, 4:38:10 PM

梅雨の長い雨がしとしとと降り続く夕方、商社ビルから出てきた男が陰鬱な気分で傘を差し歩く。
男が歩いていると、帰路を急ぐ傘を差した母子が手をつなぎ、歩く姿が目に入った。 
小さな子が一生懸命に母親に向かって「ママ、目玉焼き乗せた、ハンバーグたべたい!」と言って、母親が小さな我が子に「はいはい、スーパーに買いに行こうね。」と言って歩く。
それを見て、子供頃、母と歩いた雨の日を思い出す。 雨の帰りに母が「皆には内緒ね」と、時折、兄弟に内緒でアイスを買ってもらった、そんな懐かしい記憶が蘇る。
あの頃、母と手を繋いで歩く、雨の帰り道が理由もなくただ楽しくて大好きだったと思い出した。
そしてきっと、あの母親が差す傘の中ではしゃぐ子も同じ想いだろう。

12/19/2024, 12:22:12 PM

寂しい男の話
男は公園で缶コーヒーを飲んでいた。
男は子供たちを見ながら楽しかった子供の頃を思い出し寂しくなった