『好き、嫌い、』

いぃえ
考えたことも
なかったよ

いつから
好きになったのか？
どうして
嫌いと叫ばなかったのか？

わからないよ
嫌いのままでいたほうが
良かったのかな‥

今でさえどうしようもなく
終電の到着を待っている

『雨の香り、涙の跡』

あなたの姿を思いながら

いつの間にか眠っていた

ガラス窓に筋交う涙の跡

軒先に漂ってる雨の香り

そして一条の陽光の中を

駆け抜けてゆく鳥の囀り

『糸』

掛け替えのない糸と
感じれる時が過ぎて

やがて解れたことを
身のほどに感じたら

さよなら言うんだよ
もう留める糸もなく

『届かないのに』

　言葉にすれば
　純白だった紙が
　よれよれになり
　部屋の隅にたまる

　叫んでみれば
　暗闇の中ほどで
　ごむ鞠みたいに
　跳ね返ってるだけ

　だから..

　届かないのに
　ただただ口だけ
　ぱくぱくしては
　天井の木目をみる

『記憶の地図』

何列にも幾つにも並ぶ万華鏡
まる、ばつ、ほし、なんかや
ハートもあればジグザグ続く
長あいながあい境界線とかで
声ばかりが幾重にも重なって
めくるめく間さえ崩れてゆく
出来ればもう一度あゆみたい