宛名のない手紙


長い年月を経て

今更送ったって

相手を困らせるだけ


そんなの分かってる

けど……

未だに心残りなんだ


小学生の頃

転校してった君が

手書きで教えてくれた住所


その意味が

頭から離れなくて




ー届かない......ー

初夏の日差し

波打つ影


ポカポカと暖かな風と共に

木々の囁きが聞こえる


眠りに誘われる心地好さ


今日も平和だなと

暫しの一時を思う



ー木漏れ日ー

青い青い地球


青い青い海に囲まれ

青い青い大陸が隆起して

青い青い星となった


この雄大な星は

さぞかし宇宙から眺めれば

綺麗なことだろう


地球をグルッと回ったって

同じ海や大陸はないのだから


時にアクセントとして

白い雲が形を変え浮かぶ


青い青いこの星に



ー青い青いー

無音の部屋

風が吹き込む音がする


木々が揺れる　雨が打ち付ける

誰も居ない部屋で1人

人の居ない寂しさ　恐ろしさ


雷が鳴らなければいいのに……と

木々が打ち付ける風の音に

ただただ怯えるばかり


なぜ、こんなに恐ろしいの……？


たった1人の虚しさに

更に風が吹き込んだ



ー風とー

これまで歩んできた軌跡には、何を残せただろう

私には、分からない

が、確かに生きている


誰かしらに、影響を与えた事もあっただろう

誰かしらを、悲しませた事もあっただろう


何も分からない

何も思い当たらない

こんな私でも、今を生きている

今を生きていれば、何かを残せる気がして



ー軌跡ー