Ash

Open App
7/18/2022, 4:14:56 PM

〈私だけ〉



私だけ醜い。

私はすぐに他人を見下すのだ

心の奥底で黒い渦が不断に回転している。

その底無し沼に気がついたとき

私は自分に失望した。

「私……お前は、クソなんだな」


これから先、

肺と肺の間に、

ずっしりとしたモノを抱えながら、

私は、他人を褒めて、彼らに笑って、

彼らと良い関係を結んで……



あ、あ、ごめんなさい、と、言わないと。

「許してください。私だけは嘘吐きなのです。」

7/14/2022, 6:00:14 PM

〈目にしているのは〉



ぼやと共に始まったわたしの世界

ふわふわと覚束ない足取りで

少し霧が晴れるにつれて

鈍い紫色の染みが浮き上がる。

鮮明な世界では染みが浮き上がり、消え入り

休まる間も与えられず

ただただ藻掻く。

淡い毒色でフィルタリングされた世界には

合金。

6/26/2022, 12:00:24 PM

〈君と最後に会った日〉



覆われた笑顔を思い描いて


目も合わせられず


声もかけず


横目に見て。

6/24/2022, 3:04:13 PM

〈1年後〉



わーわー騒ぐアラーム音。
ああ、もう!

はやく起きなさい!
なんて、まだ言われていそう。

一限取らなきゃよかった!と言って、
ため息混じりに
はやく行きなさい。って。

今にも小躍りしそう!
そんなお話を毎日聴いて、
毎日わくわくして。
課題だって、自分の好きなもの。
苦じゃあないさ!なんて。

みんなが見れない特別なものを
たまーにでいいから見て
帰って活き活きと話すんだ

また物思いにふけって
それでもいつでもふふっと笑って
わくわくしながら眠るんだ。










アア、理想。

6/23/2022, 10:19:30 AM

〈子供の頃は〉



いつだっけ。
幼児ながらに"みんな"をぼやりと見つめていた。
震えてどもる声で"わたし"の気持ちを表した。
なんだか仲良くなった気がした。


いつだっけ。
毎日が楽しくて仕方がなかった。
そりゃあ友達とケンカもした。
でも、取り繕わないこどもは気分がよかったね。


ああ。
うちの周りで友人が"いどう"していた。
交換ノート。
うちのカラフルな文字が、泥沼を描いていた。
うちの数色の文字が、見えない切り傷をつくっていた。


いつからかね。
あんたと出会ってずーと一緒にいる。
あんたが一番落ち着くんだよ。
あんたとは今でも口論しないねえ。


ああ、そういえば。
ウォークマンの充電コード。
あんなモノの自重じゃ人は死にゃあせん。
口角ひしゃげたうちは怒っていた。


懐かしいなあ。
人前に立つってのは、自分に責任と自信を持たせることなんじゃねえの。





あーあ。いつからだっけか。
梅雨の様な日々を過ごしだしたのは。

Next