ヤケザケ

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12/21/2024, 12:03:30 PM

『大空』

快晴な空に、赤い風船が飛んでいく。
ぽつんと何かの印みたいに。
飛空船からなら、わかるのかな。
風船を無くした子どもがいるかと思って見渡したものの、それらしい子はいなかった。

12/20/2024, 1:12:38 PM

『ベルの音』

鳴らしたら、すぐに来てくれた。
夜中でも、早朝でも。
ワガママ言ったり、困らせたりしたね。
結婚してもそばにいるものだから、ずっといるものと思っていた。
そんなわけはないのに。
おつとめご苦労さま。
いい主人でいられたかな。

12/19/2024, 11:47:12 AM

『寂しさ』

神さま。
寂しさは小さじ一杯分でいいのです。
ほんの少しの塩が甘さを引き立たせると言うでしょう。
そんなにたくさんは要らないのです。
しょっぱ過ぎて飲み込めません。

おわかりいただけますでしょうか。

12/18/2024, 1:09:16 PM

『冬は一緒に』

冬は一緒にいようね、と言って彼女は出ていきました。
きっと白鳥が渡ってくる頃には帰ってくることでしょう。
薄曇りで低い空を眺めて、待っているのです。

12/17/2024, 10:11:25 AM

『とりとめもない話』

いつの頃か、とりとめもない話を友人としなくなった。
仕事、婚活、育児、介護、勉強、老後。
何か目的がある話ではないと、会っている時間がもったいない気がした。

だけど、違うね。
心ではなく情報をやり取りしているようで、なんだかもやもやする。

学生の頃のように、話したいんだ。
また明日話そう、と言えそうな気軽さで。

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