ヤケザケ

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12/10/2024, 12:10:14 PM

『仲間』

また遊ぼうね。
また会おうね。

ネットの中で交わす会話。
アバターがにこやかに手を振る。

本名は誰も知らない。
水飲み場にたまたま来た種類の違う鳥のように、
さえずりあって立ち去るだけ。
軽い愚痴や寒さに文句を言うだけ。
笑い合うだけ。
けれど、確かに仲間なんだ。

また会えますように。
現実のあなたが、幸せにと言ったら大げさ過ぎるから、気分良く過ごせますように。

12/9/2024, 1:58:39 PM

『手を繋いで』

最初に君と手を繋いだことを覚えている。
手汗がすごいんじゃないかと、そんなことばかり気にしていた。
手を繋ぐのが自然になった頃、手のあたたかさを感じるようになった。
冬には君の手をポケットに招くこともした。

手を繋ごう。
君の手をとりたいんだ。
またのんびり散歩でもしよう。

12/8/2024, 1:32:03 PM

『ありがとう、ごめんね』

私の選択をあなたはきっと怒るでしょう。
でも、それがあなたの幸せになると私は信じています。
私のこの想いをあなたは知らなくていい。
遠い未来に思い出してくれたらいい。

ありがとう、ごめんね。
こびりついた執着が届くがどうかわからないけど、手紙を隠しておくね。
あなたが読みますように。
読みませんように。

12/7/2024, 11:08:04 AM

『部屋の片隅で』


部屋の片隅で待っているよ。いつまでも。いつまででも。
埃をかぶっても、忘れさられたとしても。
いつか思い出してくれると信じているから。
手にとってくれることを信じているから。
他のやつにあなたをとられていても、嫉妬なんてしないわ。
あなたが私を見たとき、
あなたの心を奪えると確信しているから。

だからね。
ずっと、ずっと待っているよ。




                 積読の本より

12/6/2024, 1:19:29 PM

逆さまに月が出ていた。
おかしいな、おかしいなと思っていたら、お月様もそう思ってたみたいだった。
くるっと回転した。

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