遠くの空
俺は中3の男子中学生だ。
俺には高3の姉がいる。
今、季節は春。3月。姉が高校を卒業した。
一緒の学校に通わなくて良いのはいいところだけど、
姉は大学生になって、東京へ上京することになったから、姉とは明日でお別れになってしまうのだ。
母「香織…本当に東京へ行っちゃうの?」
姉「うん、!叶えたい夢があるんだ、!」
父「香織が決めたなら、お父さん達は応援するぞ!!」
姉「あははは〜!なんか元気でた!ありがと」
父「大晟と話してやってくれないか?」
母「私からもお願い。あの子、最近元気なくて……」
姉「……分かった、!話してくる」
俺「ねぇちゃん、?」
姉「あ、大晟、!」
俺「なんだよ」
姉「大晟が寂しがってる気がして…、」
俺「はぁ!?//寂しがってるわけねーじゃん!」
姉「・・・・・」
俺が言葉を返すと姉は無言でこっちに近づいてきた。
俺「はっ!?近づいてくんなよ!」
ぎゅ
俺「は…………………?」
その瞬間、姉は無言で俺のことを抱きしめた。
姉「私知ってるよ、ちっちゃい大晟が、私から離れなくて
さ、学校の友達からいじられて、傷ついてたの。」
俺「はっ………?」
姉「甘えたくても甘えられなかったんだよね。」
「だから今日、いっぱい甘えよ?」
その言葉をきいた瞬間、俺の目から何かが出てきた
俺「なんでっ、!なんでだよ、っ!」
姉「辛かったよね。苦しかったよね。」
「でも、明日からは、いつも通りの大晟でいてね!」
「その代わり、今日、いっぱい泣こっ!」
俺「うわぁぁぁぁん」
〜翌日〜
駅にて
俺「ねぇちゃん、本当に行くの?」
姉「うん、!寂しくなったらいつでもおいで!」
「じゃあ、そろそろ電車くるから!バイバイ!」
なんだか姉が遠くの空に旅立った気分だ。
1日目 言葉にできない
2014年6月6日
今日はぼくのたんじょう日!
がっこうでみんなにいわってもらったんだ!
お母さんはおぼえていなかったみたいで、ぼくのたんじょう日ってつたえたら、「あくまのすうじであなたにピッタリじゃない。笑」って言ってた!あくまのすうじってなんだろう?
6月7日
今日はよるごはんがハンバーグだったんだって!ぼくのぶんはなかったけど、お母さんのハンバーグ、おいしそうだった!ひとくちちょうだいって言ったら、ぶたれちゃった、
これからは気をつけないと!
6月8日
今日はお母さんのきげんが悪い日みたい、いつもよりなぐったりけられたりしちゃった、!お風呂に入るとき、いたかったな、お母さん、いつもなぐったりけったりしてるときは、「これもぜんぶ、あなたのためなのよ」って言う。
ぼくのためにがんばってくれてるの、うれしいな!
6月9日
今日はお父さんがかえってきた!
お父さんはとおくにしゅっちょう?っていうのをしてるんだって!今日はお父さんからもなぐったりけられたりしたから、ちをはいちゃったんだけど、お父さんからもお母さんからも「汚い」って言われちゃった、お母さん、ぼくのためっていうけど、ホントにぼくのためなの?
6月10日
今日はお母さんがかえってくるのがおそい日だから、なにかつくろうとおもって、オムライスをつくった!よろこんでくれるかなってワクワクしてたら、「汚い、こんなの食べるわけないじゃない。笑」って言われちゃった。ちょっと悲しい。それで、今日はまえまえからふしぎにおもってたことをきいた!「ねぇ、お母さん。いつもなぐったりけったりするのってホントにぼくのためなの?」って!そしたら「なによ!おやにはんこうするの!?なんでこんなに悪い子に育ったのかしら……」って言ってた…ぼく、悪い子なのかな?
6月11日
今日は親戚の幸治(こうじ)さんって人がきた!こうじさんはとてもやさしくて、なぐったりけられたりしてるぼくをみて、お母さんをとめてくれた!それがいいことなのかはわかんないけど……そしたらね、こうじさんが「子どもになんてことするんだ!」って、言って、ヒーローみたいにまもってくれた!それがいいことなのかはわかんないけど、
そしたらお母さんが「あら。幸治兄さん。そんなこと言うならあなたがこの子のせわをしなさいよ!」ってこえをあらげる?っていうのかな。言ってた。そしたらこうじさんが「あぁいいさ。この子はおれがあずかる!」って言ってぼくをいえにあんないしてくれた。お母さんとはなれるのはとてもさみしいな。
6月12日
あさおきたらこうじさんが「おはよう」ってあいさつしてくれた。「おはようございます、」ってかえしたら「ためぐちで大丈夫だよ、!おなかすいてるでしょ?ご飯あるよ!」ってかえしてくれた。なんでかわかんないし、なにかもわかんないけど、なんか心がほわってなった!
こうじさんがつくってくれたご飯。ことばにできないほどおいしくて、つい、なみだをながしたら心配されちゃった、しっかりいい子でいなきゃ、!
2024年4月6日
僕は今年で18になる。高校生だ。
この日記帳を開くのも何年ぶりだろう。
あの時、幸治さんについていって正解だったと思う。
お母さんとお父さんのことは夢に出てくるほどトラウマとして脳に残っている。いつか会いに行ってあの時の分をやり返してやりたい笑
来年から一人暮らしを始める。
本当に幸治さんにはお世話になった。
幸治さんには本当に感謝している。言葉にできないほどにね。
今度、幸治さんの誕生日だから、なにかしてあげたいな。
この日記帳は幸治さんに預けることにしよう。
幸治さんならきっと、ずっとずっととっておいてくれるだろう。この日記帳を開くのは最後になるかもしれない。
次、明ける日まで。