君の目を見つめると
人は、春を出会いの季節と言うらしい。
進級や入学式…色々な出会いが詰まったイベントがあるのが四月。
高校の入学式の日、新たな出会いに漠然とした不安と、ほんの少しの期待を抱いて桜並木を歩いていた。
突然 強い風が吹き荒れる。
アニメのワンシーンみたいだと思った。
目の前の君が、髪を抑えながら僕の方を振り返って 肩に桜の花弁を乗っけながら楽しそうに笑っていた。
名前も何も知らないけど、ただ君からずっと目が離せなかった。
宛先 「貴方」
拝啓
冬の寒さが厳しくなり、何かと慌ただしい日々かと存じますが、いかがお過ごしでしょうか?
堅苦しい挨拶はこれまでとして、今日は貴方の素敵なところを書き記したいと思い、筆を取った次第です。
貴方の暖かい心に触れてしまった為、冬の寒さが一段と厳しく感じるようになってしまいました。
貴方のことです また誰彼構わず優しさを振りまいているのでしょうか
自分のことなどどうでもいいかのように振舞っているのでしょうか
そんな貴方が心配でたまらないのです。
貴方の優しさに触れてからというもの 貴方ならどうするだろうかと考えるようになりました。
貴方の優しさは人にまで影響を及ぼすほど 多大なものなのだと知りました。
未筆ながら、貴方様のご健勝とご健康を心よりお祈り申し上げます。
敬具
「私」
人生に栞が挟めるとしたら、どこに挟みたい?
なんて馬鹿な質問だったけど、案外考えさせられた
人生のピークに挟めばそこを読み返す度にいい気分になれるし、逆に死ぬ様な悔しい出来事に挟めばいつでも自分を奮い立たせることが出来た。
お前はどうするの?
そう聞いたのは君がどう感じるのか聞きたかったから
そうだなぁ、僕は今かな
今ぁ?阿呆みたいな声が出た
それはまたなんで?
確かに夕日は綺麗に見える日だけど、コイツはそんな感性の良い奴じゃない
君と話すのが楽しいからだよ
脈絡が無さすぎる。
なんなんだこいつは
いやまぁ、俺もお前と話すのはすきだけど、なんでまた今なんだよ。俺と話してる時なんて沢山あるだろ
否定をしなかったのは俺もそいつと話すのが好きだったから
日本の人が桜が満開の時期を調べてお花見をするように、君が一番輝いてるときを覚えていたいんだ
もっと訳が分からなくなった
その言い方じゃ俺がいつもは輝いてないみたいだろ。なんてツッコミは飲み込んで
変なやつだよやっぱりお前は
ソイツはちょっと困ったように笑うやつだった
夢があったの
広いお城みたいなお家で家族みんなで暮らす夢
素敵な殿方と素朴な家で暮らす夢もあった
殿方のために自分の声を売ったお姫様も
毒林檎を食べて生死をさまよった後に殿方のキスで目覚めたお姫様も
みんなみんな自分のために大切なものを失うの
私もきっと素敵な殿方のためなら声くらいなんて事ないと思う
でももう叶わないの、キラキラと弾ける私の夢は
空に飛ばされたランタンのようだった。
今日寒くない?
最近はずっとですよ。寒いなら上着着ればいいじゃないですか
まだ君にセーターのしまい方教わってないから毛玉だらけだよ
…いつの話してるんですか
ちょうど一年前?
セーターのしまい方教えますから、ちゃんと上着着てください。風邪引きますよ
しっかり者だね
先輩がしっかりしてないだけです
《吹き抜ける風》
(冬支度を見るとわかりやすいです)