夢芽

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9/27/2024, 1:01:20 PM

53日目


ザーザーと雨音が響き始めた

晴れ予報だったから傘なんて持ってないよ

そう思った瞬間に気づく

「なぜ自分は濡れていないのか」と

確かに外は雨、道行く人は傘を差している

「...外?」

あぁここはショーケースの中だった

9/25/2024, 12:44:49 PM

52日目


窓の外には青空が広がっていた
雲ひとつない、曇りの無い真っ青な世界だ
その綺麗さに手を伸ばしたくて
その光景を目に焼き付けたくて
玄関へと駆け出した

扉を開けて気づく
さっきまでの景色はなんだったのかと
扉の向こうには煙に呑まれた
淀んだ世界が広がっていた

扉を閉めて部屋に戻ると
窓には相変わらず美しい空が映っていた
映っていた...?
あぁそうかこれは映像だ
澱んだ現実を覆い隠すために僕が映したのだ

なぜ忘れてしまったのだろう
なぜ現実を見てしまったのだろう

9/24/2024, 12:45:59 PM

51日目


「大切なものは目に見えない」だなんて言うけれど
感情だって人を伴うもので
時間なんて時計がないと観測できない

愛や友情にはそれなりの対象が必要で
幸福にも相応の対価が必要だ

自身に形がなくとも確かにそこに存在している

9/23/2024, 11:15:55 AM

50日目


公園にある小さな城に君は君臨する

僕らだけの小さな世界

ここで君は正真正銘の王女様だ

9/21/2024, 12:03:05 PM

49日目

スポーツ、読書、食欲...
○○の秋と名のつく言葉はいくつもあるのに
一向に寂しさが拭えないのは何故だろう

日本の秋と言えば紅葉だ
色付く木々を見上げ落ちゆく葉に詩情を見出す
終わりがあるから美しいのだ
ずっと色づいているとしたらただの風景だ
儚いからこそ愛でたいのだ
だから秋は寂しくて恋しいのだ

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