30日目
あぁ人生が毎日お祭りだったらいいのに
いや、本来ならばお祭りであるべきだと思う
「1度きりの人生だから後悔のないように」
「やりたいことをやるべき」
とは言うけれど、実際は日々を浪費していて
代わり映えのないケの日を貪っている
いわゆる先進国に生まれて
ある程度の生活水準を担保されている僕ら
多くの人には危機感がない
「明日死んでしまうのではないか」
脳裏をよぎることはあっても真剣には取り合わない
でも知っているかい?
心臓が原因の突然死は一日に200人
事故死は一日に10人ほど
毎日平均4000人ほど亡くなっているんだって
この日本でさ
こうは言っても自分の死は身近じゃない
それでも君もハレの日々を願わないかい?
29日目
従兄弟のために蝶を捕まえよう
姪っ子のために花を手折ろう
彼のために魚を捌こう
彼女のためにアイツを刺そう
誰かのために僕は死のう
生きたいと願う誰かのために
28日目
特別になりたかった
個性を大切にと言いながら
実際は集団への帰属を求める社会
私はそんな社会に染まっていた
個性を出して目立つよりも
周囲と足並みを揃える方が楽だった
でもどこか物足りなかった
このままでいいのかと考えてしまった
だから私は飛び立つことにした
足枷を解いて翼を広げ
自由という不自由の元へ
個性という名の孤独な世界へ
鳥籠の外は思っていたより狭くて
それでも迷うくらいには広かった
個でありたいと願ったのに
気づけば帰属意識の塊となり
羽根はもげてゆっくり堕ちていった
27日目
1番欲しいものそれは勇気だ
僕は傍から見ればけっこう上手く生きているだろう
運動もできたし成績もそこそこよかった
現役で大学に行ってそこそこの企業に就職もした
だが、それがなんだと言うのだ
学校は好きじゃなかったし
いつだって周囲との温度差を感じていた
上手く生きたくなんてなかった
「自殺や引きこもりは逃げだ」と言う人がいる
それは彼等の視点では正解なのだろう
しかし僕にはほんの少し眩しかった
周囲の目を捨てられた彼等
周囲の目を気にして「上手く生きている」自分
そんな自分を捨てる勇気が僕は欲しかった
26日目
「むめ」はある種のコンセプトだ
思考と感性の分離を目指した結果だ
初めは誰よりも純粋に、無邪気に生きようとした
けれど真っ直ぐ生きるにはこの世界は酷すぎた
正しく生きることは出来ないと思ってしまった
だからこそ純粋な感性と
どうしようもない思考を分離しようと考えた
その結果生まれたのが「霧雨」と「夢芽」だ
霧雨の中でも光の中に恋をして夢の芽を咲かせる
これら2人が1人で「むめ」だ