20日目
この道の先に何が待っているのだろう
この日々の先に何を成し遂げられるだろう
夢に向かって歩いても
絶望に向かって歩みを進めたとしても
辿り着く先はただ一つ、死だ
僕らの道の果ては死以外には有り得ない
どのように死へと歩みを進めるのか
ゴールテープを切るのか
その違いでしかない
19日目
高嶺の花だった
手の届かない孤高の存在だった
彼女は凛としていて潔癖だった
不条理を理不尽を許せなかった
そんな彼女に憧れるのに時間はかからなかった
誰よりも強く正しいと思っていた彼女
しかし彼女は脆かった
いや、この世界が鉄壁すぎたのだ
彼女の理想を打ち砕くのは容易かった
硝子花はいつしか砕け散っていた
18日目
「正しくあれ」「優しくあれ」
子供の頃はただそれだけで良かった
自分の思う正義を優しさを信じるだけだった
でもある日ふと気づいてしまう
「正しさ」とはなんだろう
「優しさ」とはなんだろう
ニュースで流れていた殺された恋人の復讐殺人
正しくはないと思った
でも優しさだと思ってしまった
そして何よりも誠実だと感じてしまった
もうあの頃のように真っ直ぐな正義は謳えない
だってこの世には完全なる正義などないのだから
「正しさ」も「優しさ」も観測系によるのだから
それでも僕は僕なりに真っ直ぐでありたい
17日目
漏れる吐息
仄かな体温
触れ合わない手
人知れず濡れる肩
思い出すのは優しさだった
決して交わることは無い
けれどいつも隣に君はいた
傘を差しのべてくれた
今は一人雨中を駆け抜けていく
16日目
未来、それは未だ来ていない時間
そこにはまだ見ぬ無数の可能性がある
数多の選択肢が転がっている
だが本当に自由に選択できているのだろうか
道徳的に、世間的に選べる選択肢は限られる
ステレオタイプの中での選択しか許されてない
いや、許されてないのではない
選んではいけない気がするのだ
大人になってしまった私たちは