“誰にも言えない秘密”
大人になるにつれ
一つまた一つと
秘密が増えていく気がする
大した秘密ではないけれど
人には言えない事
なぜだろう?
別に大した人間でもなく
秘密にする事でもなく
誰かに話しても
きっと笑い話ですむ話し
だけど誰にも言えない秘密が
一つだけある
家族にも言えない秘密
私には昔
結婚を約束した人がいた事
二度と会えない人
その人を今でも愛している事
私の初恋
毎年一年に一回
誰にも知られずに
お花と貴方が大好きだった
赤ワインを持って
おしゃべりに行く事
誰も知らない貴方と私の
デートの時間
この気持ちは
誰にも言えない私だけの秘密
貴方がくれた指輪をはめて
きょうも一年に一度の
デートに行く
“狭い部屋”
毎朝同じ時間に目覚ましが鳴る
そして毎朝同じ時間に家を出る
毎朝同じ時間の同じ車両に乗り
毎日決まった時間に会社に到着
だからほぼ何かが無い限り
会社に遅刻した事はない
決まった同期とお昼を食べて
毎日決まった仕事をこなす
時には作り笑いなんかして
特に身体が疲れる事はないが
その決まった日常の中で
心の中に蓄積されていく
まるで部屋の隅っこに溜まっていく
ホコリ達のように掃除されないまま
蓄積されていく
これが巷で言う”ストレス“なのか?
ただ疲れた身体を癒してくれる
私の小さなワンルーム
私は狭い部屋だが
ここで過ごす時間が好きだ
だから私の心のホコリ達が
蓄積されないように
今日は隅から隅まで掃除して
溜まったホコリ達に
サヨナラをしよう!
”無垢“
今日は朝から快晴
ちょっと長めの散歩に行こう
“何処に行きたい?”
私は愛犬ポチに話しかけた
ポチは思いっきり尻尾を振った
”言ってる事がわかるんだね“
ポチは私の唯一の相棒
私が仕事で落ち込んだ時も
私が彼氏に振られた時も
いつでも黙ってより添ってくれる
ポチはいつも無垢な瞳で
私を見つめてくれる
“ポチ!大好きだよ”
私もそんな無垢な心を
取り戻す為に
今日もポチと笑顔で
散歩に行こう!
“終わりなき旅”
50歳になり自分の人生を振り返る
山あり谷ありの人生
出逢いや別れ
本当に波乱万丈な人生だった
今では良い経験だ
その時はもの凄く辛くて
逃げ出したい事もあったが
逃げ出さなくて良かった
なぜなら、心が強くなったから
これからは折り返し
笑って最後を迎えられるように
”最後の日までにやりたい事“
を書き出そう
波乱万丈、かかって来い!
私の”終わりなき旅“は
まだまだ続く
“半袖”
私はもう十年以上半袖は着ていなかった
なぜなら、私の腕には
大きな火傷の跡が残っているから
私が半袖を着なくなったのは
小学生の時プールの時間に
ある一人の男の子が私の腕を見て
”わっ!お前の腕エイリアンみたい“
と笑いながら言われた
そんな一言から私は半袖を
一切着れなくなった
人を好きになっても
人に告白されても
ずっと自分の心に蓋をして
今まで一人で生きてきた
毎年一つ歳を重ねる度に思う事がある
“今年は半袖を着よう”
”ありのままの自分でいよう“と
そして毎年
袖の通されないままの
半袖のシャツが
クロゼットの引出しに
しまわれていく
30歳になった今日
今までの臆病な自分と
さよならする為に
一番華やかな花柄の半袖のシャツに
袖を通して
玄関の扉を開けよう
“さよなら、今までの自分”!