”逃れられない“
私はいつになったら
あなたの幻から解放されるんだろう
なぜこんなにも胸が苦しいのだろう
振り向くとあなたがいるようで
振り向いてしまう自分
あれから5年も過ぎたのに
自分から別れを告げたのに
あなたを探してしまうのはなぜ?
あなたの優しさが辛くなって
あなたの“ごめんね”が聞きたくなくて
あなたから逃げだしたくて
あなたを忘れたかった自分は
何だったんだろう
あなたとの想い出が残るこの部屋に
今でも残っているあなたの優しさが
私にまとわりついて
あなたから逃れられない自分がいる
いつになったら
あなたは私を解放してくれるの?
いつになったら
あなたの笑顔を忘れられますか?
“また明日”
この忙しない日常で
僕が唯一癒やされる時間がある
働き初めて毎日立寄る珈琲店
店に入った時の香ばしい豆の香り
“いらっしゃいませ”の君の挨拶
毎日笑顔で声をかけてくれる
いつからか、君は
”おはようございます“と
僕に挨拶をくれるようになったね
僕は毎日同じ注文で
いつからか君は
“いつもので、よろしいですか?”
と別の言葉をかけてくれるようになった
そしてしばらくすると
君は”毎日お疲れ様です“と
労いの言葉をかけてくれるようになった
僕はいつからか
君の新しい言葉が聞きたくて
それが僕の日課になった
君は毎回“またお越し下さい”と
”いってらっしゃいませ“と
声をかけてくれているけど
僕は恥ずかしくて何も話せないまま
会釈だけしか出来なかった
でもね、毎回僕は背中越しで
“ありがとう。また明日”と
心で言っているんだよ
明日はちゃんと言葉に出せるかな?
”また明日“の言葉を
“理想のあなた”
あなたはいつも皆の中心で
あなたはいつも笑顔で
あなたはいつも楽しそう
あなたはいつもおしゃれで
いつも輝いていた
私はいつも羨ましかった
だから私は
あなたの髪形をまねしたり
あなたと同じ靴を買った
私の理想のあなたになりたくて
いっぱいいっぱい努力したんだよ
だけど何をマネしても
あなたにはなれない
マネはマネ
だから
私は私で良い
きっと真似じゃない本当の私を
好きになってくれる人が
この世界のどこかに
絶対いると思うから
”真夜中“
誰かが昔“東京は眠らない街”と
言っていたのを聞いた事がある
確かにそうだと思う
私はほぼ毎日終電で帰る日々を送っていた
もちろん仕事上仕方がない
ある日家までの帰り道
道路工事が行われていた
何を思う事もなく
その工事現場の前を通り過ぎた時
誰かが『お疲れ様です』と言った気がして
振り返った
そこにはヘルメットをして光る棒を
もった30歳位の誘導員さんが立っていた
振り返った私を見ると笑顔で会釈した
私も会釈をしてそのまま帰った
しかし次の日もまた次の日も
彼は『お疲れ様です』と声をかけてくれた
いつの間にか私はその『お疲れ様』の
言葉が聞きたい気持ちになっていた
工事が終わってしまうまでと
思っていたがどこかで”終わらないで“
と思う自分がいた
でもその時は突然やって来た
あの真夜中の“お疲れ様”はその後
聞くことはなかった
でも、その時の出来事はたぶん
一生忘れないと思う
名前も知らない誰かから
その”真夜中のお疲れ様“をもらった事で
癒やされて頑張れた自分がいたから
今度は私が誰かの為に
笑顔で”お疲れ様です“と
言える人になりたい
そして
またどこかであの誘導員さんが
”真夜中のお疲れ様“を言っていたら
私が“お疲れ様です”と”ありがとう“を
伝えたい
”風にみをまかせ“
自分の人生の道に迷った時は
どうするか?
今まで生きてきて
選択に迷った事が何度もあった
良く人生のターニングポイントと
言ったりする人もいる
私の性格は良く言われるのが
マイペース
ポジティブ人間
宇宙人
何も考えてない人
文字にあげてみると
何とも言えない言われようだ
でも“何も考えてない人”には
ちょっと物申したくなる時がある
別に何も考えてない訳では無い
だだ悩んでも解決しない時は
風にみをまかせていく事だ
そうやって今まで生きてきた
考えて悩む事も必要だけど
たまには風にみをまかせ
みるのも良いものだ
きっとその先には
素晴らしい景色が待っているに
違いない