失恋した帰り道。
夕方になりざあざあと雨が降り注いだ。
この涙を隠すのに丁度いいななんて思って。
もうこの際思いっ切り泣こうと思って。
そうそう思いっ切り泣けることなんてないから。
情けない声が雨に響く。
投げ出して潰れた鞄は雨の中佇んでいた。
私は日記が好きじゃなかったな。
でも日記を付け始めた。
あれは、家族が可笑しくなりはじめたときかな。
まず父親が家族を無視するようになった。
次に家族に痣がつくようになった。
またつぎになると血がでるようになつた
おやのしんしつはぼろぽろになつていた
よか皿が割れる音が、きこえるし
いつのまにかでんきもつかなくなつたな
ははおやには風穴がとおつたし
いもおとには、ないふが、さささる
そもそも父親はめがただしいほうにむいてなあい
わたひからもひふがほろほろおちるし
へやじゅうがあかあい
きもちちちがわああああるい
はははもういないし
ちちおやは、うまった
そんなことがかいている日記にあたしは吐あいた
そんなにっきをまどkらなげすてたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
初めて君が私の部屋に来た日。
もう夜になって、泊まることになった。
君はベッドで寝るのに遠慮してたけど。
ベッド以外に寝るとこないから。
結局一緒にベッドで寝ることになった。
少し距離を置いて、顔を合わせないようにした。
どっちも緊張してたからだ。
なかなか寝付けなくて反対を向くと、
君と向かい合わせになった。
君は寝ていた。
だから。
君が起きない内にそっと口吻を交わした。
心臓の鼓動が早くなった。
君からドキドキ聞こえたのは気のせいかな。
やるせない気持ちわからないから。
やるせなくないから。
やるせなくなることないから。
やるせなくなったら。
やるせないことわかったら。
「やるせない気持ち」が書ける。
海へ駆ける。
遠い水平線では空と海が融合する。
優しい波が鼓膜を撫でる。
反射する太陽が私を刺した。
遠い潮の匂いが私を纏う。