夏の匂い
夏の夜の匂い
夏の雨の匂い

昼間の灼熱地獄が
想い出のように遠ざかる
夜の風の匂い

このまま夜が続けば良いのに

カーテンをいちまい閉めるだけで
ひとつだった世界が
私の世界と外の世界
ふたつの世界に分離する

繋がっているような
繋がっていないような

外の世界が見えない不安感
私の世界が覗かれない安心感

青く深く澄み渡るような瞳
窓の前で
私が帰ってくるのを待ってる
良い子にお留守番できたから
たくさん褒めてくれるはず
たくさん撫でてくれるはず
君の期待に応えよう

夏の気配を感じて振り返ると、君が笑っていた。
ひまわり
僕のつけた君の名前