こんもり丸いアイスクリームを
スプーンで崩すように
かき氷の山が
いつのまにか凹んでいくように
恋は儚く 姿を変える
夢にまで見た
あなたの面影も
ぼんやりと
曇り硝子に映って
人影の形だけが
浮き上がる
そんな夢しか見られなくても
恋心が じわじわと溶けてくるので
スプーンを握りしめて
お早めにお召し上がりください
-夢を見てたい
01.13
オリオンの命を狙う
ひと針の毒を
飲み込んで、
あなたの唇に
運んであげたい
……だけど
-ずっとこのまま
01.12
ミケは寒さをしってる
耳の先がピピッと動いて
雪の音をしらべてる
粉雪の日
ミケはこたつに
惚れ込んで
絶対 出てこない
ミケはこたつのもの
こたつはミケのもの
ちょっとぐらい
わたしがいてもいいじゃない?
ミケとこたつの間を
邪魔したりしないって
約束するから
-寒さが身に染みて
わたしだけ
たばこがわりに
ポッキーくわえて
あなたは
ほろ酔いしらずの
炭酸水
大人になりたかったのに
一応 大人になったのに
酒場の空気は
賑やかで
わたしも
あなたも
縮こまる
-20歳
三日月のランプ灯して
兎の時間にかえろう
いそげいそげ
月の光が消えぬ間に
カップケーキをひと齧り
トランプがばらばらと
散らばる
白昼夢へ
兎の穴で生きている
ふしぎな夜を見たいなら
三日月のランプ灯して
兎の時間にかえろう
-三日月
01.09
吸血鬼には銀のナイフを
狼には鉄砲玉を
青髭には石の棺を
メドゥーサには鏡の盾を
怪物たちも最期は
あっけない
わたしの夜に あらわれて
よなよな
追いかけてきたのに
吸血鬼は黒のマントで
狼は灰色の尻尾で
青髭は真っ赤な顔で
メドゥーサは緑の髪を振り乱して
誰が一番こわいのか
あちこちで揉めながら
わたしの後に
ついてきた
色とりどりの怪物を
引き連れて
ニューヨークのごちゃごちゃした
ビル街をいっせーのーで駆け出す
ナイトパレード
ハロウィンの夜になったら
またおいで
-色とりどり
積もり積もって
記憶の奥底に
こびりついた黒い塊が
ある朝溶けて
消える
そんな日を待つより
仰向けに寝転んで、
雪と一体化してみない?
雪