#ぬくもりの記憶
事後の気だるさを消す様に、
肺いっぱいに吸い込んだ
煙を溜息とともに吐き出す…。
「ねぇ、前から気になってたんだけど」
甘ったるい声に俺の中の何かが反応するが
無視して耳を傾ける。
「何でピアスもタトゥーもそんなに入れるの?」
「人生、痛みでしか愛情感じたこと無いから」
そう言った俺を、静かに抱きしめた。
#白い吐息
今日の月は、低くとても大きな月だ。
それに、みたらし団子のような色合いをしている。
その月を眺めながら、夜の街を歩いていると、
涙が一粒ポロリ
はぁ…ッ
#祈りの果て
神様、私はあなたの敬虔なる信徒です。
どうか私の願いをお聞きください。
贅沢は申しません。
衣食住があり、
(衣=ユニクロ)
(食=オーガニック希望)
(住=新築、オートロック)
やりがいのある仕事をし、
(在宅勤務のプログラマーとかカッコいい)
それなりの金銭を稼ぎ、
(年収800万とか…)
適齢期になれば結婚し、
(美女!!体重40キロ台!!)
子どもを二人もうけ、
(男の子にはサッカー、女の子はピアノだ)
成人までしっかり育て上げ、
(反抗期…?そんなのあるわけ無いwww)
巣立った後、孫を抱かせてもらう。
(完璧な人生計画だ!!)
それなのに、なぜ未だに独り身なのでしょう!!
#キンモクセイ
ふっと、鼻をかすめた匂い…
辺りを見回してみるが、視界にはそれらしいものが
一切見当たらない。
目的地に急ぐ足は、自ずと速くなり、
増える、口呼吸……
建物に入るその瞬間、視界の端にちらりと映った
オレンジ
#そして、
誰もいなくなった。