#哀愁を誘う
ふと、寝る前にのどが渇いたので、
キッチンの流し台でコップに水を汲み飲んだ。
一息つき、視線を上げると、
普段は、外から明かりを入れるために作られた
細い、はめごろしの窓。そこから見えたのは、
外灯に照らされ、浮かび上がる献花···
#理想郷
多くは望みません。
一日労働4時間、
食事は遅めの朝食に、夕飯の二食。
趣味の読書に没頭し、そして
たまに、気の知れた仲間と飲む酒
実はこんな日々が、幸せであり、
理想郷
#懐かしく思うこと
パンデミックも終息を迎え、
落ち着きを取り戻した。
久方ぶりに開催された〖蚤の市〗
その賑わいたるや、
あの時を思い出す。
教科書ではなんと書いてあったか···??
あッ!!そう、〖ペスト〗黒死病だ!!
あの時も大変だったが、乗り越えた後の活気は
今も昔も変わらない。
いやぁ、懐かしい
#涙の理由
帰り道、塾の日だけ通る、神社
鳥居も賽銭箱も、雨風にさらされ
ぼろぼろ。
日の暮れ出す時間帯も合間って、気味が悪かった。
そこに誰かのすすり泣く声―――···
背筋が一瞬にして粟立った。
一目散に逃げ出し、滴る汗をぬぐった。
だが、あのときあった恐怖が過ぎ、
冷静になると、あの場には自分以外の誰かが
いたのかもしれない。
それなら、気になる
なぜ、泣いていたのか
#私の日記帳
日記を付けだしたのは1ヶ月前からだった。
長年付き合っていた恋人と不完全燃焼な形で別れ、
このモヤモヤを晴らすために付け始めたのが
きっかけだ。初めは偶然だと思っていたのだが、
日記の終わりに明日は、~な日になりますように!!と
毎回書き記していたのだ。
ある日は、『明日は、仕事が早く終わりますように』
と書いた。その日は出先からの直帰になった。
またある時は、『美味しいディナーが食べたい』と
書くと、先輩から有名店のディナーチケットを
譲ってもらった。
こんなことが続くと試してみたくなるのは、
人間のさがだろう···。
ある日の日記にこう書いた。
『明日は元恋人に不幸が!!私はそれを目撃できる。』
······しばらくながめた後、しっかり消ゴムで消した。
人の不幸を願っても、私が幸せになるわけでもないし
明日は、時間にゆとりを持って起きられますように!