#あの頃の不安だった私へ
拝啓
父を亡くしたばかりの私へ
病気が発覚して、三年···
心のどこかでは覚悟していたことでしたが、
指針を失くしたような気持ちでいっぱいでしたね。
あれから10年
ちゃんと父の教えは私の中で生きてます。
道標がなくても、ちゃんと歩けてます。
たまには転けて痛い思いもするけど、
また、すぐ立ち上がって歩いていける
メンタルは育ってます。大丈夫
思い描いているより
厳しくも、優しい世界です。
なので今は、後悔しないぐらい
思い切り悲しんで泣いてください。
わたしが支えなきゃ何て思わないでいいです。
一番上だからって頑張らないといけない
ルールなんてない。
存分に悲しんでください。
未来のわたしより
#昨日へのさようなら、明日との出会い
今日もまた産まれた。
1時間後には歩きだし、喋りだす。
5時間後には成人を迎える。
10時間後は中間管理職についているかも。
子どもも、いる年だ。
16時間後は定年まであと1年.....
老後はどう過ごそうか?
20時間後はもう体が痛くてムリが利かない
〖+1時間〗ごとに布団で過ごす時間が長くなる。
あと10分で一生が終わる。
そしてまた明日生まれ変わる。
〖今日〗が〖昨日〗になり、“明日”が“今日”になる
おやすみ、そして、おはよう
#透明な水
清さを維持し続けるのは大変なことだ...。
いっそのことはじめから汚れていた方が
楽かもしれない。
しかし、何度汚れたとしても
また、きれいになって戻ってくる。
地球のろ過装置は優秀だ。
でもいつかその代償はやって来る。
そんなことを思いながら、
絵の具の筆を透明な水につける
『わたし』
#理想のあなた
むかし、じいさんが言ってたっけ。
理想はな蜃気楼みたいなもんだ。
実態なんてない、捕まえることもできない
追っかけるだけ無駄骨だから
早いとこ諦めろ。
忠告無視して追いかけすぎたみたいだ。
じいさん...すまん
#恋物語
そこは、自分の家と職場との中間地点にある
小さな花屋だった。それまでは小柄なご婦人が
店先にいたのに、いつしか若い子が
店番をするようになった。
ある日、思いきって花を買ってみた。
『マーガレットを下さい。
この花をご婦人に...』
恥ずかしくて、早口で手渡してしまったが
伝わっただろうか?