#愛を叫ぶ。
なにか聞こえる。
ピッ.....ピッ···· ピッ····ピッ....
機械音みたいだ。
ピッ·····ピッ...... ピッ.....ピッ····
「あなッたっッ、聴こえてますか?」
グスッ....グスッ····· グスッ.....グスッ·····
あぁ···、あぁ、聴こえている。そうか···
もう···話すことも、目を開けることもできないのか
泣くな·····いや、やっぱり泣いてくれ。
別れを惜しんでくれ、
涙の深さで愛を叫んでくれ。
#モンシロチョウ
家庭菜園で植えていたキャベツを
すべて食べられた。
#忘れられない、いつまでも。
ちりん、ちりん...。
この家は季節に関係なく軒先に風鈴がある。
涼やかな音に反応して目を開ける。
まだ少し朝晩は肌寒いが、機嫌のいい
お昼間はぽかぽか陽気で昼寝には最高だ。
そういえば、こんな日だったかもしれない
はじめてこの家に来たのは···
前住んでいたところは気がつくと
ご飯が出なくなった。
あんなに毎日家にいたおばあちゃんが
帰ってこなくなった。
お腹が空いてて、のどが渇いて、淋しくて
たくさん鳴いた、鳴いて、鳴いて、泣いて....
声が渇れてもうダメだと思ったとき、
あなたが優しく掬い上げてくれた。
あの時のことは忘れない、いつまでも。
#一年後
一年後の今ごろ、
成人なんだよね。
大人になるって
どう言うことだろうね?
わたしのなにかが
変わるのかな?
変わるとしたら何だろう?
答え合わせとか出来るのかな?
#初恋の日
これは夢だ。
はじめてアイツを好きだと自覚した日
家が隣同士で、幼馴染みと言うやつだ。
子どもの頃からケンカが絶えなかったけど
高校まで一緒の腐れ縁
ちなみに男子校だ。
自分でも驚いてるさ。
でも、ストンと収まるところに
収まった心地もしてる。
あれは、高2の時
あの頃は、周りに合わせて
付き合っていた子もいた。
女子は敏(さと)い
こちらの気持ちがいつになっても
自分の方に向かないことに腹を立て
こっぴどくフラレた。
自業自得だ。
でも、アイツはものすごく怒ってた。
分かりにくいけど、コイツは凄ぇいいやつなんだ!!
何て、こっちが恥ずかしくなること
平気で言いやがる...
思わず自覚しちまったじゃないか。
あれが初恋の日
あれから10年······明日は、アイツの結婚式だ。