#桜散る
あぁ、あの子ねぇ···
あの子は、物語の主人公のような女の子だった。
おうちが裕福で、子どもの頃からバレエやピアノ
お嬢様を絵に描いたような。
でも、芯は通っていても我は通さず。
誰とでもそつなく付き合っていて嫌みが無いのが
逆に嫌みみたいな子だったように思う。
わたし?
わたしはあの子の幼馴染み。
子どもの頃からの親友で、あの子に感化されて
わたしもバレエやピアノにくっついて行ったの。
あの子が輝いていたから、
地味な方なんて影で言われていたの
わたし知っていたのよ···
でもこの間、試験のラストチャンスを
わたしが掴み取ったの!
もう地味だなんて言わせない。
次に輝くのは、この私よ!!
なぁんて言う劇がこの桜散る頃に、
始まるとか始まらないとか~
#ここではない、どこかで
認めてもらいたかったのだと思う。
怖かった気もするし、
恋しかった気もする。
素直に気持ちを言葉にしたかったのに、
言ってしまったら、どんな反応をされるのかも
実は怖くて···
結局『はい』しか言えなくて。
蟠りを溶かすには多くの時間が必要で、
溶けた頃にはあなたの時間が少なくなっていて、
あんなに無限にあると思っていた時間は
もう残り少なくて、少なすぎて
あなたは行ってしまった。
つぎは、とことん話す時間を作りたい。
ここではない、どこかで
#届かぬ思い
あっ、
おい、今しっかり目が合っただろう。
こっち向け!!
ちらって時計を確認して
『まだ時間早いし···』
何て思ってるんだろう!!
そんなこと思ってても、
お前自身も解ってるんだろう?
ご飯? それだけ備蓄があれば
何も心配いらないだろう!!
早く寝ろ!!
体は限界を訴えてるんだよ!!
もう一度鏡を覗き込んでみろ!!
#神様へ
いつもギフトを頂き感謝します。
貰ってばかりなので、お返しを考えるのですが
いつも何がいいのか、なかなか決まりません。
考えすぎて、気がつくと次のギフトが届いているので
お返しの機会を逃してしまいます。
あなたから届くギフトは、いつも今の私を
成長させるものばかりですね。
的確すぎて、カメラや盗聴を疑いキョロキョロして
しまいました。
次のギフトも楽しみにお待ちしております。
この感謝の心をお返しにしていただければ幸いです。
あなたの子羊より。
#快晴
カーテンの隙間から差し込む
強い光で目が覚めた。
顔を背けても、目をつぶっても
逃がしてはくれないみたいだ。
仕方ない···起きるか。