雪の静寂

雪が降ると
世界が耳をすませる
空の高さと 夜の深さを
ひとつずつ　数えるために

君が見た夢

まぶたの裏で見た 空飛ぶクジラや銀河を泳ぐ金魚
君はそのどれもを 僕に教えてくれた
寝癖のついたままの まどろみの中で
まるでお土産を披露する 旅人のような顔をして
その奇想天外な物語が 僕の朝を彩っていく

明日への光

明日への光
眠る前 不安に震える背中を 優しく撫でる
上手くできなかった今日にも 「おやすみ」を言えるくらいの やさしさで包み込む

星になる

星になるほど才能も無くて
それでも消えたくもなくて
今日も光る練習をしている
暗さに慣れた目で 一番星を見つける

遠い鐘の音

遠い鐘の音が
夜の底から響いて
自分が背負うには大きすぎる願いを
胸の奥でそっと灯した