10/17/2022, 12:44:26 PM
光沢のあるビーズが縫い付けられた煌びやかな鞄、動く度ふわりと揺れるドレスの裾、裾から伸びるすらりとした腕、しゃんと伸びた背、そしてー·····
ゴンっ!!と鈍い音がして重い瞼を無理やり開ける。投げ出した私の腕、その先の脱力しきった手の甲に熱を感じる。動く気になれずただじっと見ていると、じくじくと痛みを感じ始めてしまった。
それからも私は動かなかった。数十秒·····数分?とにかく何をするでもなく時間を浪費している。ああどうしよう。はあ、と体に溜まった空気を勢いよく吐き出す。それまで私の体は空気でいっぱいで苦しくて、しかし空気を吐き出しても苦しさは消えない。なんなのだ。ああ、違う、こんなことをしている余裕は無いのに。