人魚姫は人間の王子に恋をして
恋しいあまりに人間になるけれど
王子は別の人と結婚する

王子を殺せば人魚に戻れるのに
殺すことはできずに海の泡となってしまう

人魚姫の悲恋は子供だった私の中に強烈に残る

童話の中に戻り
悲しい海の　波音に耳を澄ませて　みる

爽快な空と存在を増す太陽
遠くまで続く海原

朝夕に涼やかで軽いのは淡い色
日中に熱を持ち圧を感じるのは深い色

初夏の海は　青い風　が吹いている

誠実な方だった若い頃も

人生の善し悪しを経験して
必要だと思う腹黒さを備わった今も

　遠くへ行きたい　

そう思うことがある

置かれている状況と心が伴わない
それが繰り返される

心身ともに疲れている
いつになってもあるんだな

風水も占いも
嫌いじゃないけど
囚われない

その　クリスタル　の置物で
私の何が浄化されるのか

その大きな水晶の玉に
私の人生は託せない

陽が落ちて
小さな庭に水を撒く

夕方でもまだ明るい夏の庭
生き返るように見える草木や生き物達

遊び心で天に向けて水を撒く
渇いた自分にも降りかかる

カラカラの緑と土と空気

潤されて放つ　夏の匂い　が心地よい